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すすり泣きと共に終焉

It ends with a whimper

 「かくして世界は終わる」「爆音と共にではなく、すすり泣きと共に」と、T.S.エリオット(1888年~1965年:英国の詩人、小説家)は『空(うつ)ろな人間』の中で書いている。第1次世界大戦後のヨーロッパ大陸を覆った絶望に向けた暗澹(あんたん)たる気持ちを表した言葉であった。これは、「イスラム国」(IS)の指導者アブバクル・バグダディの最期の瞬間を語る言葉の序文とするのに、ほぼふさわしいものだ。  「彼は行き詰まりのトンネルに、ずうっと、めそめそ泣いたり、泣き叫んだり、悲鳴を上げたりしながら逃げ込んだ後、死んだ」と、トランプ大統領は日曜日に語り、テロリストの中心的人間にとっての世界が終わった様子を描いて見せた。そういう訳で、まず、すすり泣きがあり、バグダディが自爆ベストの引き金を引いた時に爆音が鳴り響き、自身と彼自身の子供のうちの3人が死亡したのである。「彼は、犬のように死んだ」とトランプ氏は言った。

 大統領の所感はまあまあだったが、少しばかり公平さに欠けていた。犬たちは、忠実さを身上とするものなので、彼らは故意に自らの肉と血を破壊しようとはしないであろう。彼らと違って、バグダディは、バグダディらしく――つまり、獣らしく――死んだのだ。


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