ワシントン・タイムズ・ジャパン

トランプ次期大統領と中露の〝密室″チャンネル

 安倍晋三首相とドナルド・トランプ次期米国大統領との初会談が、11月17日夕(日本時間18日朝)、トランプ氏の自宅があるNYのトランプ・タワーで行われた。報道陣に非公開の会談には、先の大統領選で〝トランプの秘密兵器″として大活躍し政権移行チームにも参加する長女イヴァンカ氏も同席しており、安倍首相との立ち話では彼女とその夫で不動産・メディア事業を手掛けるジャレッド・クシュナー氏も一緒だった。

 米大統領選挙の最中、トランプ氏の助言者としてイヴァンカ氏とクシュナー氏夫婦(共に35歳)が圧倒的な存在感を示していたが、政治運営へ及ぼす2人の影響力があらためて浮き彫りになったことに世界中が注目している。

 世界の首脳に先駆けトランプ氏と会談した安倍首相は、「信頼関係を築いていくことができる、そう確信の持てる会談だった」と安堵のコメントを出した。ただ、 「ヒラリー当確」を疑わなかった外務省の読みの甘さなのか、新たな日米関係構築のスタートは遅すぎた感が拭えない。

 中国は、「習近平国家主席が初の電話会談を14日に行い、早期に直接会談を実現させることで合意した」と中国中央テレビ局(CCTV)が報じ、ロシアも14日、「ウラジミル・プーチン大統領が電話会議を行い、建設的な協力関係構築を目指すことで合意した」などと淡々と報じている。

 しかしながら、プーチン大統領とトランプ氏は公然と褒め合う〝親密な関係″だった上で、米民主党のシステムがハッキングされて機密情報を記したメールが流出した事件でもロシアの関与が疑われたが、トランプ勝利への追い風となった。一方、米国の影響をアジアから排除したい習政権も、「米国がアジア太平洋地域に深く関与するのは得策ではない」との考えを示すトランプ氏の大統領就任を密かに画策していたはずなのだ。

 トランプ家族と中国は、以前から緊密なチャンネルが構築されてきた。イヴァンカ氏の長女の1歳半からのナニーは、中国人女性である。マンダリン(北京官話)の教育をするためだ。またファッション・ブランドIVANKA TRUMPのカバンや靴は少なからず、メイド・イン・チャイナだ。

 何より、イヴァンカ氏が親しくする1人は世界的な超大物で、米フォーブス誌(2009年)にて「世界一の富豪夫人」の称号を得た中国人女性である。1968年に江蘇省で生まれた彼女の現在の名前は、ウェンディ・デン・マードック(鄧文迪)氏。〝世界のメディア王″の異名を持つ、米メディア大手ニューズ・コーポレーション社の会長兼最高経営責任者、ルパート・マードック氏の3番目の夫人(2013年に離婚)だ。
 
 デン氏はマードック氏と1999年6月に「2度目の略奪婚」をして以来、メディア界のみならず政界、実業界、映画界、ファッション界、芸術界、上流社会に広い人脈を築いていく。そして、欧米社会で超セレブな有名人となった。

 そんなデン氏に、欧米メディアが注目する理由は実のところ他にもある。彼女の素性について、英字メディアと一部の中国メディアまでが「広州医学院へ進学した1年生の時、人民解放軍総政治部広州支部の目に留まりスパイ候補生となった」と報じるなど、数年前からスパイ疑惑が噴出しているためだ。

 より衝撃度を増したのが、マードック氏との離婚騒動が報じられた2013年に、「ブレア元英首相と恋仲にあった」と複数メディアが大々的に報じた時である。この不倫報道を、当事者らは「強く否定」しているが、マードック夫妻の2人の娘の洗礼式が行われた2011年に、「ブレアが娘たちの教父」などと報じられた件が蒸し返された。

 離婚後も相変わらず、映画やファッション関係のセレブパーティーへの出席など〝日の当たる場所″にいて、イヴァンカ氏との2ショット写真やクシュナー氏も含めた3ショット写真の露出の多いデン氏が、今年3月下旬、再び〝時の人″となる。USウイークリーなど複数メディアが、「ロシアのプーチン大統領との密会の噂」を報じたのだ。ツーショット写真は存在せず真偽は定かでないが、スパイ疑惑を報じられた中国人セレブと元KGBの密会は、単なるラブ・アフェアではなさそうだ。

 米大統領選が迫る8月半ば、デン氏とイヴァンカ氏がクロアチアでバカンスをしている様子が、ニュース専門放送局CNBCやセレブ雑誌などに掲載されている。また、クシュナー氏とブレア元首相も数年来の知り合いとされ、両者を結びつけたのはマードック夫妻だと、英デイリー・テレグラフ紙が記している。ちなみに、クシュナー氏は妻について「一家のCEO」と雑誌Vogueで語っている…。

 世界の権力構造は、米中の超大物女性を介して「密室」で動いている!?

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