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三権がせめぎあうワシントン

地球だより

 三権分立は民主主義の基本的制度だ。立法、行政、司法の三権は米国の首都ワシントンに集中しており、三権の抑制と均衡の中で米国の政治が織り成されている。

 近年は民主党と共和党の政党政治における対立が、ホワイトハウスと議会の対立に反映され、政府一時閉鎖といった異常に事態に発展したことは記憶に新しい。イスラム過激派組織イスラム国(IS)の問題は米外交の主要課題だが、ISに対する戦争権限をめぐり、軍最高司令官として軍指揮権をもつ大統領と宣戦布告権をもつ議会の対立が続いている。

 2013年10月に16日間継続した政府閉鎖は、医療保険改革法(オバマケア)をめぐる行政と立法の対立により引き起こされた。司法を代表する米連邦裁判所は6月25日、オバマケアの中核をなす政府補助金支給の是非に関して、支給は合法とする判決を下した。連邦議会上下両院を制している共和党は、保守派が中心になってオバマケア撤廃の野心を捨てていない。しかし司法の介入により、オバマケアをめぐる民主と共和、行政と立法の対立は民主党が主導する行政府に有利に展開する見通しとなった。

 最高裁判事は行政府、議会から独立性を維持し、政治的に影響されないようにするため終身制になっている。ただ大統領がその指名権限をもち、その人選により最高裁判決に影響を及ぼそうとする。議会はその指名を承認、あるいは否決する権限をもち、大統領を牽制(けんせい)する。

 ジョン・ロバーツ最高裁長官はブッシュ前大統領により指名された。当初は保守派と考えられていたが、オバマケアの判決では合法の判断を支持し、保守派を失望させた。

(K)

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