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あすペルー大統領選決選投票 急進左派と保守派が激突

 南米ペルーで6日、大統領選挙の決選投票が行われる。急進左派で教員組合出身のペドロ・カスティジョ氏(51)と、フジモリ元大統領の長女で保守派のケイコ・フジモリ氏(45)による一騎打ちだ。

 選挙戦最終日の3日、国の主要産業でもある資源産業の半国有化などを主張してきたカスティジョ氏は、改めて資源分野への増税を可能にする制憲議会の招集と憲法改正に向けた国民投票の実現を強調した。同氏は、資源分野への増税を原資として教育や医療、貧困問題の解決を図ると有権者に約束している。
(サンパウロ・綾村悟)

ペルー大統領選の決選投票に進んだケイコ・フジモリ氏(右、4月14日)とペドロ・カスティジョ氏(5月18日)=リマ(AFP時事)

ペルー大統領選の決選投票に進んだケイコ・フジモリ氏(右、4月14日)とペドロ・カスティジョ氏(5月18日)=リマ(AFP時事)

 ケイコ氏は「(汚職疑惑で収監されていた)1年前は、決選投票の舞台に立っていることを想像もできなかった。ペルーの過去と未来をつなぐ架け橋になりたい」と支援者に感謝の言葉を述べた。

 ポピュリスト的な言動の多いカスティジョ氏に対しては、貧困層や地方から根強い支持が集まる一方、ペルーの極端な左傾化を恐れる有権者や資本家からは懸念の声が上がっている。カスティジョ氏優勢で始まった選挙戦では、通貨や株価が大きく下落、資本の流出も起きている。同氏が属する「ペルー自由党」がマルクス主義に傾倒し、「社会主義の実現」を掲げているからだ。

 一方、ケイコ氏の下には、ノーベル賞作家でペルーを代表する保守派論客のバルガス・リョサ氏をはじめ、「ペルーの共産化」「ベネズエラ化」を恐れる保守派が支持を表明してきた。ただ、ケイコ氏に関しては、父親のフジモリ元大統領への反感と、過去の大統領選挙に絡む自らの汚職疑惑というアキレス腱がある。

 5月中旬の世論調査ではカスティジョ氏が優勢だったが、同30日に発表された調査結果では、カスティジョ氏の支持率42%に対して、ケイコ氏が40%と肉薄している。保守派の結集とカスティジョ氏の急進的な言動に有権者が反応した結果だ。

 ただ、ペルーは新型コロナウイルスの感染拡大により、南米で最も打撃を受けた国の一つだ。昨年の成長率はマイナス11%を記録、新型コロナによる死者は18万人を超えている。貧困と失業、格差の拡大はポピュリスト的公約が歓迎される土壌となっている。現地メディアの多くは、どちらが当選してもおかしくないと見ている。

 決選投票には、南米各国からも注目を集めている。南米最大の経済大国ブラジルでは来年10月に大統領選挙が予定されているが、左派の重鎮ルラ元大統領の出馬が現実味を帯びて来た。直近の南米における大統領選挙では、アルゼンチン、ボリビアと左派政権が誕生しており、コロナ禍の社会不安が選挙に与える影響が注目されている。

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