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コロナ禍と厳戒の米政権船出、閉ざされたバイデン大統領就任式

 テレビは、米連邦議会議事堂前で行われたバイデン大統領夫妻、ハリス副大統領夫妻らの就任を祝う式典を華々しく映し出した。だが、その周辺は高さ2㍍を超えるフェンスで囲まれ、迷彩服を着た州兵が不測の事態に備える物々しい警備体制が敷かれ、人を寄せ付けない雰囲気が漂っていた。

 新型コロナウイルスの感染拡大と6日の連邦議会議事堂襲撃事件を受け、20日の就任式は参列者を厳選し、厳戒態勢の中、迎えた。通常なら就任式の様子を見るために人々が集う中心部の緑地帯ナショナルモールも閉鎖され、多くの米国民は、自宅でテレビやネットを視聴し見守った。

 現地を訪れる人は稀(まれ)で、市内の中心部を歩くと、写真撮影などする報道関係者をより多く見掛けたほどだ。アフガニスタンとイラクに駐留する米兵の数を上回る約2万5000人の州兵や多くの警察官たちが配備された。圧倒的存在感を見せつけたことも奏功して、小競り合いはあったものの暴動など大きな混乱は起きなかった。

 しかし、祝賀ムードのない厳戒態勢下の街の様子は、新型コロナや社会の分断などバイデン氏がこれから直面する課題の重みを感じさせる。

 星条旗を身にまとい自転車で見学に来たジョセフさん(53)さんは、「毎回見に来ているが、中に入れない状況は、悲しいことだ。しかし、われわれはここから国を建て直していく。米国民の新たな物語の始まりだ」と力強く語った。米国人らしい前向きさが印象的だ。

(写真=UPI、文=ワシントン・山崎洋介)

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