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救世主ペンス “世界の終末”を阻止できるか?

 12月20日頃より米国大統領選挙の帰趨に興味を持つ人々の間で「ペンス・カード」という言葉が期待を持って使われていた。それは米国憲法の解釈次第では、ペンス副大統領は上院議長でもあると同時に2021年1月6日に行われる大統領選挙結果承認のための合同議会の議長でもあり、それに関して色々な強い権限があると解釈できる。

 各州は選挙の結果として決まった当該州の人口に基づいて割り当てられた大統領選挙人の名簿を12月23日にペンス氏に送る。この段階でペンス氏が「不正選挙があった疑いがある」として幾つかの実際に不正選挙疑惑で混乱している州から送られて来た現時点ではバイデンを支持するもの選挙人団名簿の受け取りを拒否できる。そなれば各州は米国憲法の本来の姿である州議会で選挙人を選び直さなければならない。これら各州は州議会で共和党多数の州ばかりなので、こうしてトランプ氏が逆転勝利するーそのようなことが期待されていた。

ペンス

 

 実際に以上のような作戦が書かれたホワイトハウス内の「ペンス・カード」と呼ばれるものが一部メディアに流出しさえした。しかし少なくとも12月23日には、そのような出来事は起こらなかった。

 メディアにリークされてしまったこともあるうだろう。また早い段階で流血を伴う恐れのある作戦を実行することに、イメージと違って平和主義者のトランプ氏は、最初から乗り気ではなかったのかも知れない。実際、「ペンス・カード」が言われるようになる少し前の18日にホワイトハウスで開かれた関係者会議で、選挙不正に関する特別検察官の任命が議題になったとも言われている。どうしてもトランプ氏としては流血の事態を避けて選挙不正を暴き再選に持って行きたいようだ。この18日の会議で戒厳令の発動も話題になったと言われているが、トランプ氏は否定するツイートをしている。

 私はクリスマスには「戒厳令」的なものが行われるのではないかと考えていた。少なくともトランプ氏が2018年9月に発布した大統領令に基づき、外国勢力と結託して米国内の選挙に介入した人々の資産押収等はあるかと期待していた。そうすれば不正な外部からの操作が可能なのではないかとの疑惑を受け資本関係的に中国の影響を大きく受けている投票機械会社の機械を押収して調査したりすることも出来る。

  また今年はトランプ氏の意向でクリスマスが4連休になり、また「ペンス・カード」と同じ23日に司法省の大幅な人事異動が起こり、副司法長官になるのは軍事専門弁護士資格を持っている人物である。選挙後に国防省で行われた大規模な改革により、特殊部隊は事実上、国防長官の直結になった。

 このようなことから私は、クリスマスに軍事力を行使した、選挙不正に関する調査が行われるのではないかと期待していた。その調査の結果として「ペンス・カード」が使えたかも知れない。

 しかし2018年9月の大統領令の発動のためには情報機関関係者からの外国勢力介入に関する報告が基本的には選挙から45日以内になければならないのだが、どうも米国の情報機関内部にも親中派が多いらしく、期限には間に合わなかった。

 それも「ペンス・カード」が使われなかった理由の一つかも知れない。具体的な証拠もなく「ペンス・カード」を使えば、混乱が酷くなり、また各州議会もバイデン当選を打ち消してトランプ当選を宣言したりすることは、難しくなるかも知れない。

 しかし不正選挙の疑惑が持たれている7つの州では、バイデン当選を州政府の選挙管理者が認定したため、バイデン支持の選挙人団を送っているものの、共和党の州議員団もトランプ支持の選挙人団を送っている。但し州議会の正式な決議によらないので、今のところは象徴的な意味しかない。だが1960年にハワイ州で類似した状況が起こり、ハワイだけでも選挙結果が逆転した前例もある。

 何れにしても「ペンス・カード」的な権限は1月6日の合同議会でも、ペンス氏にはあるので、その時に使えば良いという解釈もある。もちろん「ペンス・カード」が使われなくとも、各州議会が独自に不正調査に基づいて決議し、トランプ支持の選挙人団を正式のものとして認めることも、共和党議員団が頑張れば、不可能とは言えない。

 そのための証拠収集が目的なのか、司法省の人事異動後は、それ以前は消極的だった選挙不正に関する特別検察官を設置する話も一部で進んではいる。

 そしてペンス氏の権限は「ペンス・カード」だけではない。1月6日の合同議会で、2つの選挙人団名簿が出ている州があった場合に、どちらを選ぶかの権限もペンス氏にあるという解釈もある。その場合、州議会が正式に認定していなかった方を選ぶことも可能だと解釈している人までいる。

 また19世紀末に成立した選挙計数法により1月6日の合同議会では下院議員1人、上院議員1人が異議申し立てを行えば、その異議申し立てを受けた州の選挙人団を受け入れるかどうかを決めるために、2時間の審議を行い、その後に上院と下院で投票を行う。上下両院が一致して認めなければ、トランプ逆転勝利にはならないと解釈している人もいるが、一方だけで良いと解釈している人もいる。

 また共和党が非公式の代議員を送った7つの州の中には、州議会が民主党多数の州もある。それを以ってトランプ政権は審議時間を長期化することで審議未了で異議申し立てのあった州の選挙人団を全て無効にする作戦ではないかと考える人もいる。因みにペンス氏は、1月7日から中東諸国を歴訪予定だった。

 それが2020年末くらいにキャンセルされている。それと同時にトランプ氏も重要な関係者の接待を打ち切って、フロリダからワシントンに戻っている。やはり何かがあるのではないか?

 何れにしても下院には複数の異議申し立てを行う予定の議員がいたが、それが年明けには100人以上に膨れ上がっている。上院ではマコーネル上院院内総務が同調者を出さないように締め付けを行なっている。そのため彼は中国人の妻の関係で裏マネーを受け取っているのではないか?―という噂まで出ている。

 因みに自分達の決定で流血の惨事になるのを恐れたのか、最高裁は多くの選挙不正に関する訴訟を門前払いにしたり、大統領就任式前後まで公判を引き延ばしたりしている。そのためロバーツ首席判事を巡るスキャンダルが再燃している。

 このように今回の選挙不正を巡るトランプ氏の主張は、アメリカ国内の真の愛国者ではない人々を炙り出す効果も出ているのである。

 話を戻すと上院でも年明けから10人以上が異議申し立てを行う方向になって来ている。彼らとしては大統領選挙勝利者承認合同議会を1月6日以降に延長し、その間に10日くらいの調査特別委員会で今回の選挙不正に関して調査し、その結果によって大統領を決めることを提案している。これは1877年に前例があるのだそうである。それが出来れば最も良いかも知れない。しかし民主党や党主流派の反対で調査委員会は出来ないかも知れない。

 そうすると彼らは1月6日に異議申し立てを行うことになる。それで異議申し立てが成立したとして、下院では民主党が10人未満でも過半数であり、上院でも共和党は過半数ギリギリである。上院から裏切り者を出さず、下院で民主党から裏切り者を出させるためにも、やはり強力な証拠が必要だ。

 そのための特別検察官であり、裁判なのである。2018年9月大統領令の発動も望ましい。

 そして「ペンス・カード」が発動されなかった頃にホワイトハウス内で働く人々に引越しの準備命令が出ていたのだが、それが数日でキャンセルされたという事実もある。

 つまり強力な証拠がなかったので「ペンス・カード」が使えなかったのが、その後に強力な証拠が出て来て、トランプ政権としては「これは行ける!」と方針を変えた可能性もあるように思われる。

 実際トランプ氏は元旦に「1月6日には今まで出さなかった重大な証拠を提出する」とツイートしている。

 しかし証拠だけでは足りない。上記のように上院から裏切り者を出さず、下院で民主党から裏切り者を出させるためにも、トランプ氏を民意が絶対的に支持しているということを、国会議員達に分からせることが重要だ。

 ペンス副大統領にもだ。保守系政治団体アミスタッド・プロジェクトは「ペンス・カード」を使おうとしない彼に対する訴訟を12月22日に起こしている。最高裁判事と同様に大規模暴動の責任から逃げられては困ると考えたのだろう。

 実際、年末近くに共和党の下院議員が選挙計数法をペンス氏がスキップ出来るように起こした訴訟で、ペンス氏自身が反対している。しかし年が明けてからペンス氏は「合同議会で異議申し立てによる議論が行われることを歓迎する」声明を出している。彼の去就は最後まで分からないかも知れないが、最終的には「新しい証拠」と、そして民意の追い風次第なのではないか?

 トランプ氏はツイッターで「1月6日はワシントンに集まろう!大荒れしようぜ!」とツイートしている。いま今年の米国大統領選挙の様相に疑問を持ち、このままでは自国の民主主義も崩壊し、または中国の軍事的・経済的力でチベット化されるという不安を抱いた人々によるデモが、日本を含む多くの国で起き始めている。

 バイデン氏と彼の閣僚候補者達は、極めて親中的な人々である。例えばNSC担当補佐官を予定してるサリバン氏は、中国に買い取られた1兆ドル以上の赤字国債と引き換えに台湾を中国に渡すと発言したこともある。他の外交関係閣僚予定者にも、中国関係のロビーストだった人が多い。

 このままでは日本も世界も中国に売り渡される!このまま米国の不正選挙を見過ごせば、世界の民主主義が崩壊することも言うまでもない。

 どうしてもトランプ氏には逆転勝利して頂くしかない。そのためには1月6日のワシントンを、大荒れにするしかない。実際に1月6日のワシントンDCには、100万人以上の人が集結すると言われている。その人々が国会議事堂周辺で大規模デモを行っただけなら流血の大惨事になるとは限らない。

 しかし以上のような手続きにより幾つかの州の結果が覆った。あるいは無効になって誰も過半数に達せず、下院の決選投票を経て(この場合は1州1票なので共和党多数州が50州中26ある関係で)トランプ氏が勝ったとする。

 その場合はワシントンとは言わず全米で、アンティファやBLMの暴動が、2020年夏の数倍も吹き荒れる可能性が高い。

 平和主義者のトランプ氏が「戒厳令」を考えるのは、その時だろう。


「GII REPORT」より転載
https://ameblo.jp/gii-report

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