«
»

アメリカの開戦シナリオ予測

■米中対立

■虎の尾を踏んだ中国共産党

 トランプ大統領になってから米中関係は悪化。しかも中国共産党による覇権拡大が問題視され、アメリカの政治と軍事で共通の敵となる。小さな規模の軍事行動で威嚇する程度だったが、次第に大規模な軍事演習を見せつける様になった。

 だが8月26日になると、人民解放軍は軍事演習で4発の中距離弾道ミサイルを南シナ海に向けて発射。弾頭は対艦ミサイルかグアムを攻撃する対地用かは不明。問題になるのは、この時にアメリカ艦隊が南シナ海に展開していたこと。そしてグアムまで届く中距離弾道ミサイル。これは明らかに一線を超えた威嚇であり、アメリカの国土まで攻撃する可能性を示した。

■可能性で動くアメリカ

 国際社会は基本的に軍隊を用いて先に開戦した国を悪の国とする。理由は今の平和を否定する行為なので、国際社会は悪と見なす。しかも今の平和は現状維持派の強国に都合が良いルールだから、今の平和を否定する行為は強国への挑戦。だから現状維持派の強国は政治を看板にして戦争できる。ならばアメリカの今後は2つが想定できる。

想定1:中国共産党から開戦させる
想定2:アメリカから開戦

想定1の戦例
 基本的にアメリカは仮想敵国を怒らせ、仮想敵国から開戦する様に仕向ける。この典型例は戦前の日本。戦前の日本はアメリカから敵視され、ABCD(米英中蘭)包囲網やハル・ノートなどで国家の名誉を侮辱された。これに怒った日本は開戦。これで日本は平和を否定する国として悪にされた。

想定2の戦例
 イラクのフセイン大統領は大量破壊兵器保持を臭わせた。この段階でフセイン大統領は明確な証拠を出していない。同時にアメリカも証拠を掴んでいない。この段階では可能性の世界だが、アメリカは危険だと判断した。アメリカは国連安保理決議1441号に従い査察を継続すべきと言いながら、同決議688(抑圧の中止)を無視。これでイラク戦争を開始した。

 基本的に先に開戦した国が悪になるが、国際社会では抜け穴がある。アメリカはイラクと戦争するために、国際社会の抜け穴を使って勝利した。

■国際社会の抜け穴

 国際社会では先制攻撃が使われるが、これには攻勢攻撃(Offensive Attack)と防勢攻撃(Defensive Attack)に区分されている。

先制攻撃の区分
攻勢攻撃(Offensive Attack):国際社会で否定される
敵国の国防線を踏み破って奇襲攻撃を仕掛ける。

防勢攻撃(Defensive Attack):国際社会で肯定される
自国の国防線の中で脅威国が戦争準備した段階で先制攻撃する。

 攻勢攻撃としての先制攻撃は、今の平和を否定する行為。だから国際社会では悪とする。だが時には国防が困難な時がある。仮想敵国が戦争準備をしており、先に開戦させれば自国が危険な時だ。これでは自国は正義を看板に出来ても戦争で敗北する。これでは無意味だから、国際社会では抜け穴が用意された。それが防勢攻撃。

 防勢攻撃としての先制攻撃は、仮想敵国が自国の国防線で戦争準備した段階で先制攻撃する。国際社会では認められた先制攻撃だが、実際に使う国は少ない。何故なら条件を成立させることが難しい。

 だがアメリカはフセイン大統領が大量破壊兵器の保持を臭わせただけで、戦争準備と見なして防勢攻撃としての先制攻撃を実行した。かなり強引だが、強国としての地位を悪用した先制攻撃だった。

■先制攻撃可能になったアメリカ

 中距離弾道ミサイルは大量破壊兵器の一つ。フセイン大統領は存在を臭わせただけで先制攻撃を受けた。ならば中国共産党による中距離弾道ミサイルの発射はどうか。南シナ海・東シナ海・太平洋のアメリカ艦隊を攻撃されるだけではなく、国土のグアムまで攻撃される。命中精度は不明だが、軍事演習で射程距離を明確に示した。ならばフセイン大統領以上の驚異となった。

 ならばアメリカは、中国共産党からの開戦を待つ受動的な開戦シナリオから、アメリカから開戦する能動的な開戦シナリオに移行する可能性がある。アメリカから見れば開戦シナリオの選択肢が増えたことになるが、中国共産党から見れば悪夢。

 何故なら中国共産党からの開戦を待つシナリオなら、自国から開戦しなければ無力化できる。アメリカは中国共産党を怒らせる制裁を行い、戦前の日本の様に怒って開戦するよう仕向けている。この策を中国共産党が知っているなら、自国からの開戦を回避する。

 中国共産党の対応策は、軍事演習とアメリカへの報復制裁で威厳を示す。これで長期化させて開戦を回避。だが軍事演習で中距離弾道ミサイルを発射したことで回避策は無意味になった。武威をアメリカに示したが、虎の尾を踏んだのだ。

 こうなれば中国共産党は、アメリカからの先制攻撃を想定する立場になる。これまでは中国共産党から開戦しなければ良かった。だが今では、アメリカが中国共産党を先制攻撃することまで対応しなければならない。こうなると今の中国共産党では限界を超えている。

■アメリカが先制攻撃した場合

 仮にアメリカ軍が中国共産党を先制攻撃した場合は、南シナ海・東シナ海・黄海から中国本土に向けて空爆開始。その空爆は1カ月以上続き、人民解放軍の指揮命令系統の破壊とミサイル基地の破壊を重視。

 人民解放軍が南シナ海に置いた基地群は無視され、兵糧攻めが行われるだろう。何故なら中国本土から補給が途絶えれば、離島の基地は飢餓に陥る。だから中国本土への攻撃が落ち着いてからの攻略になる。実際に第2次世界大戦でアメリカ軍は離島の日本軍守備隊を無視。後で攻略に向かうと、大半の日本軍将兵は飢餓に陥っていた。

 イラクのフセイン大統領は大量破壊兵器を臭わせてアメリカの開戦を呼び込んだ。中国共産党は中距離弾道ミサイルを軍事演習で宣伝。アメリカがこれを中国共産党による戦争準備と見なせば、国際社会の抜け穴を使い強引に開戦する可能性が高い。ならば開戦はアメリカ軍の準備次第になる。

30

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。