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バイデン氏は「認知症」?

著しい失言、物忘れ有権者に懸念広がる

 米大統領選まで3カ月を切る中、民主党の候補指名を確実にしているバイデン前副大統領(77)の「認知症」疑惑に注目が高まっている。最近、同氏の失言や物忘れ、言い間違いが著しいことから、有権者の間にも懸念が広がっており、選挙戦にも影響を与える可能性がある。

バイデン前米副大統領

バイデン前米副大統領=7月28日、デラウェア州ウィルミントン(AFP時事)

 「私はテストを受けていない。一体なぜ受けなければならないのだ?」

 バイデン氏は5日、オンライン上で行われたインタビューで、CBSニュースの記者から認知症検査を受けたかどうか尋ねられ、不快感を露(あら)わにした。

 バイデン氏は、大統領候補が認知テストを受けることは、記者がインタビュー前に麻薬を使用しているかどうかを検査することと同じだと主張。興奮したためか、記者を「麻薬中毒者」呼ばわりするという新たな失言まで飛び出した。

 バイデン氏は「あなたがこのプログラムに参加する前に、コカインを服用しているかどうか聞かれるようなものだ。どう思うのだ。あなたは麻薬中毒者なのか」とまくし立てた。

 記者が認知症検査について尋ねたのは、トランプ大統領が受けるようバイデン氏に求めていたからだ。最近受けた認知症検査で満点だったと誇示するトランプ氏は、先月のFOXニュースとのインタビューで、バイデン氏が「これら質問に答えることができないだろう」と述べ、同じテストを受けさせるべきだと主張した。CBS記者の質問について、バイデン氏の選対関係者は「荒唐無稽な質問であり、それ相応の返答をするに値するものだ」と反発。民主党全国委員会のトム・ペレス委員長も「失礼ながら、馬鹿げた質問だ」と一蹴した。

 しかし、当選すれば歴代最高齢の78歳で大統領に就任することになるバイデン氏の認知能力が低下しているとの見方は米国民に広がっている。10日に発表されたラスムセン社の世論調査によると、有権者の38%はバイデン氏が何らかの形で認知症を患っていると考えており、これには民主党の有権者の20%も含まれている。

 バイデン氏には実際にこうした懸念を招く数多くの発言があり、最近ではバイデン氏が「新型コロナウイルスにより、米国では1億2000万人以上が死亡した」と誤って発言。以前には「2007年以降、1億5000万人が銃で亡くなった」とも述べていた。

 このほかにも、自らのことを「上院の民主党候補」だと紹介したり、「スーパーチューズデー」を「スーパーサーズデー」と言い間違えたりした。また、ニューハンプシャー州で選挙活動中に「バーモント州を好きにならない理由はない」と述べるなど、滞在中の州をたびたび間違えた。

 バイデン氏が4位に終わったアイオワ州党員集会の結果について質問した若い女性に対しては、「君は嘘(うそ)をついている犬の顔をしたポニーの兵士だ」と意味不明な発言をした。

 バイデン氏の認知症疑惑については、今までFOXニュースなど保守系メディアが報じてきたが、大手リベラル系メディアで扱われることは稀(まれ)だった。ここへきて三大ネットワークの一つであるCBS記者が取り上げたのは、有権者の間でこうした発言に対する懸念が強まっていることが背景にある。

 一方、バイデン氏は、検査を受ける代わりに、選挙戦の中で認知能力について精査されるべきだとの立場を示しており、「トランプ氏と議論することを楽しみにしている」と語っている。9月以降に予定されているトランプ氏との3回の討論会で認知能力に関する疑いを払拭(ふっしょく)できるかが注目される。

(ワシントン 山崎洋介)

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