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イスラエルとUAE国交正常化へ 米仲介で合意

イラン包囲網強化へ

 トランプ米大統領は13日、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)が国交正常化で合意したと発表した。トランプ氏の仲介でイスラエルのネタニヤフ首相とUAEのアブダビ首長国のムハンマド皇太子の3者が電話会談し合意した。敵対するイラン包囲網の強化を図るトランプ政権の取り組みの一環で、今後の中東の対立構図に変化をもたらす可能性がある。

トランプ米大統領

13日、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)の国交正常化を発表するトランプ米大統領=ホワイトハウス(AFP時事)

 トランプ氏は、ホワイトハウスの記者会見で「これは本当に歴史的な瞬間だ」と成果をアピールした。民主党の大統領候補となることが確実なバイデン前副大統領も「中東の深い分断に橋を懸ける歴史的な一歩だ」と評価するなど、超党派の支持を集めた外交的勝利となった。

 合意により、イスラエルはヨルダン川西岸の一部併合を停止。また、両国は数週間以内に大使館の設置や技術協力などについての合意に署名する予定となっている。

 トランプ氏は記者会見で、調印式は「おそらく3週間」以内にホワイトハウスで行われると語った。劣勢が伝えられる大統領選に向け成果を誇示し、今後の弾みとしたい考えだ。

 この合意によりUAEは、エジプト、ヨルダンに続きアラブ諸国でイスラエルと国交を樹立した3番目の国となった。

アラブ

 トランプ氏は「今や氷が解けた。さらに多くのアラブとイスラム教の国がUAEに続くことを期待する」と表明。「今後数週間でたくさんの大ニュースがあるだろう」とも語り、他のアラブ諸国がイスラエルと国交正常化することを示唆した。

 イスラエルとアラブ諸国は歴史的に対立してきたが、中東地域で影響力を高めるイランへの警戒感から連携を模索していると考えられる。イスラエルとアラブ諸国との関係改善が進めば、中東地域で影響力を強めるイランの力を削ぐことになり、「イランの力が後退し、勢力均衡に変化をもたらす可能性がある」(ワシントン・タイムズ紙)と指摘される。

 一方、イスラエルとの和平交渉が停滞しているパレスチナは、今回の合意について「UAEの裏切り」だと非難。トランプ氏は1月、中東和平案を発表したが、イスラエル寄りの内容にパレスチナが反発し、同案に基づいた交渉は始まっていない。こうした状況についてトランプ氏は会見で、「強くて豊かな国が加わるようになれば、パレスチナも自然と追随するようになるだろう」と述べ、他のアラブ諸国がイスラエルとの関係を改善すれば中東和平も進むとの見方を示した。

(ワシントン 山崎洋介)

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