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USAGM新CEO 中国の情報戦に対抗

米政府系放送局の改革を推進

 「米グローバルメディア局(USAGM)」の最高経営責任者(CEO)に先月、トランプ氏が指名していたマイケル・パック氏が就任した。USAGMは近年、米国の実情を海外に伝えていないと非難されており、新CEOのもとで、中国、北朝鮮など閉鎖された国の国民に米国の情報が届くことが期待されている。

ビル・ガーツ

ビル・ガーツ氏 米紙ワシントン・タイムズ(WT)の国防担当記者として、これまでにスクープ記事を多数執筆。2019年11月まで米保守系ニュースサイト、ワシントン・フリー・ビーコンの上級エディター。著書に『Deceiving the Sky(空を欺く)-地球的覇権狙う共産中国、活動の内幕』(Encounter Books)、『誰がテポドン開発を許したか』(文藝春秋社刊)など。

 パック氏は、ワシントン・タイムズとのインタビューで、中国など外国からの偽情報に対抗し、米国の理想をもっと積極的に伝えるべきだと主張、米国の政策を「明確に効果的に」外国の聴衆に伝えていくと訴えた。

 USAGMは、「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」など米政府系放送局を統括しており、米政府が拠出する年間8億㌦の予算で運営されている。中国、ロシア、北朝鮮、イランなど閉鎖的な国に対して情報を提供するために設立された。

 ところが近年、硬派のニュースや米国の価値観とはあまり関係のない「くだらない」ソフトなニュースが増えたと批判を受けていた。

 4月にはホワイトハウスが、VOAは「米国の敵対国に対してソフトすぎる」との声明をサイトに掲載、ホワイトハウスのソーシャルメディア部長ダン・スカビノ氏は、「(米国民の税金が)中国のプロパガンダのために使われている。恥ずべきことだ」とツイートしていた。

 パック氏は、就任後、局長ら幹部の解任、交代など、組織の再編を進めているが、リベラル派を中心に反発が強く、ホワイトハウスは公正な報道で知られてきた放送を、政府のプロパガンダ機関に変えようとしていると批判の声が上がっている。

 民主、共和両党の7人の上院議員らは、パック氏に宛てた書簡で、USAGM傘下の放送局の独立性が失われるのではないかと懸念を表明、「これらの放送を政治化をさせない」よう予算を見直す用意があると主張した。

 一方パック氏は、「客観的で、公正で、包括的な手法」で、「米国で起きていること、その考え方を伝えていく」ことの必要性を強調、「米国は中国からの攻撃にさらされている」として、VOAなどの立て直しを推進していく意向を強調した。

 その上で「USAGMだけでなく、米政府全体がこの、思想戦、情報戦をどう戦っていくのかを考え直すべきだと」と主張。「特に中国、イラン、北朝鮮は国民のインターネットへのアクセスを禁止している。これを止めなければならない」と訴えた。USAGMは今後、ブロックされやすいインターネット以外に、ラジオの短波放送を強化することを検討しているという。

 パック氏は、「中国が将来の最大の脅威であるとの見方は正しいと思っている。この問題に世界の関心を向けさせたことはトランプ政権の大きな実績だと思う」と、トランプ政権の対中政策への支持を表明した。

(サムネイルイメージ画像:米グローバルメディア局(USAGM)Webサイトより)

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