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日系人が築き上げた「信用」-ブラジルから

地球だより

 知人にブラジルに移住して20年になる日本人夫婦がいる。こちらに来た当初、親しい知人や親族がいないため、すべてが分からないことばかりで多くの障害にぶつかったという。
 まず最初の壁が住む場所を探すことだった。ブラジルでは、賃貸契約を結ぶ場合、持ち家などの固定資産を持っている保証人が必要となることが多い。知人夫婦もそれで苦労したのだが、ある大家さんが「保証人なしでもいいよ。日系人は信用できるからね」と言い、住む場所を確保できた。

 知人は、その言葉を聞いた時に「ブラジルに住む日系人が築き上げたもの」を心の底から実感したというのだ。

 ブラジルでは、日本製品の人気も高い。日本車から家電、筆記用具に至るまで「日本のものは信頼できる」と言われるが、その評価には日系人の社会的評価が後押ししている面もある。

 ブラジルで日系人が就く職業には、税理士や医師、歯科医など信用や技術が必要とされるものが多い。「ジャポネーズガランチード(日本人は信用できる)」は、ブラジルに住む日本人であれば、誰もが聞いたことがある言葉だ。

 現在、コロナ禍でブラジルはパンデミックの真っ只中(ただなか)だ。政府からの補償も少なく、日本のような規模の援助は望むべくもない。日本国籍を持つ1世には成功した方が多いが、コロナ禍で苦労している人も存在する。在外邦人向けの給付金配布には日本国内で多くの議論があるようだが、せめて在住国と日本をつなぐ懸け橋として努力している「同胞」に対して、慰労の一言を掛けてほしい。

(S)

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