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米中戦争のカウントダウン

■香港国家安全法

中国共産党は5月28日、香港に国家安全法を導入することを決定。香港政府は導入を歓迎。だがアメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアは香港国家安全法に反発。トランプ大統領は香港の特別な待遇廃止、イギリスは「香港の英海外市民に市民権付与」で威嚇した。

米中関係の悪化だけではなく、関連する国も巻き込んでいる。武漢ウイルス(COVID-19)の発生源を調査する対立に加え、チベット人・ウイグル人・香港人の人権保護まで拡大。米中貿易戦争を加えれば、米中関係は修復不可能な状態になった。

■一国二制度の破棄と併合

中華人民共和国の法律を香港政府に適用することは、正式に一国二制度を破棄することを意味する。これは中華人民共和国が香港を併合する。これで香港人は消滅し、中華人民共和国の公民になることを意味する。

国家主権(旧香港政府):行政・立法・司法
地方自治体(現香港) :行政・司法

独立の証は国内三権である国家主権を持つこと。国内三権は行政・立法・司法。外交二権である外交と軍事は他国に委任可能。だから国内三権さえ持つなら独立国家。だが外国の法律を受け入れることは独立の否定。これは独立を捨て併合を選ぶ。

アメリカ・イギリスは一国二制度・民主主義の否定を怒っているが、本音は中国共産党の覇権拡大を怒っている。何故なら香港は南シナ海を管制する有力な基地になる。香港に人民解放軍が展開すれば、容易に海洋国家アメリカの海上交通路の遮断が可能。実際に、海洋国家のアメリカ・イギリス連邦(カナダ・オーストラリア)が反発している。

■イギリスの干渉

イギリスは「香港の英海外市民に市民権付与」を公言し、これに中国共産党が反発した。これはイギリスの内政干渉で、香港人がイギリス市民になれば、香港で生活することが可能。だから中国共産党は反発する。今は可能性の段階だが、中国共産党としては痛い所を突かれた。

仮に香港人にイギリス市民権を与えても、全員には与えられない。だが香港にイギリス市民がいることになり、中国共産党が危害を加えれば、イギリス政府は自国民保護を名目に軍隊派遣が可能。この場合の軍隊派遣は国際社会から肯定される。

実際にジョージア(グルジア)・ウクライナが典型例。ソ連時代から隣国ウクライナ・ジョージアにロシア人を移民として送り出した。そしてロシア連邦時代になると、ロシア系移民が現地民よりも多くなった。

ロシア系移民は移民自治を求めて選挙を実行。ロシア系移民が多数派だから、選挙を行えば勝つ。次に祖国への帰属を求めると、ロシアは「自国民保護」を名目に軍隊を派遣した。実際に国際社会は、ロシアの軍隊派遣を正当化している。何故なら、過去に自国が使ったか、将来使うかもしれない策だから黙認する。これが国際社会の現実であり抜け穴。

■トランプ大統領の最後通牒

トランプ大統領は5月27日、中国共産党に対し間接的な最後通牒を送った。それは政治・経済で中国共産党に譲歩を求める内容。

政治:香港の自治が失われた
経済:特別な地位の剥奪

妥協案 :相手国に餌を与えて自国が譲歩する(受動的・等価交換)
最後通牒:相手国が譲歩するならば自国が餌を与える(能動的・押し売り)

アメリカは中国共産党に対し、「中国共産党が譲歩すれば香港の特別な地位を継続する。しかし自治が失われたら特別の地位を剥奪する」とした。これはアメリカの妥協案ではない。中国共産党への最後通牒に該当する。

この典型例は、戦前のアメリカが日本に対して行った経済制裁であり、最後通牒のハル・ノート。ハル・ノートは、「餌を与えての譲歩の要求は妥協案であるが、譲歩すれば餌を与えるという条件は最後通牒」の典型例。戦前は日本に行われたが、今は中国共産党に最後通牒を突き付けた。

■戦争準備の可能性

米中が戦争を決意したかの判断は簡単。それは物資の移動と集積。一個師団約2万人規模ならば、2000トン毎日消費する。空軍が一個師団を対地攻撃で支援するなら1日4000トン消費する。この様に毎日消費するから、1日で10万トン消費することは珍しくない。

軍隊が継続的に戦闘するなら、開戦前に生産・輸送・備蓄が行われる。これは戦争準備の証で、毎日数千トンの物資が移動し集積される。これは誰の目にも明らかで隠すことができない。

過去のアメリカは、湾岸戦争に備え1年間費やした。同時に戦争準備を誤魔化すために、国連の場で議論を行った。建前は戦争回避に向けた外交交渉。本音は戦争準備が整うまでの時間稼ぎ。トランプ大統領はWHO(世界保健機関)から脱退し、新たな組織の構築を求めている。仮に新たな組織で議論を行うと、これは戦争準備を誤魔化すための可能性になる。

■中国共産党の決断は何か?

中国共産党には複数の選択肢があるが、中国共産党が譲歩すれば沈静化する。他の選択肢は、間接的な戦争か直接的な戦争の違いだけ。

中国共産党の選択1:譲歩
中国共産党の選択2:軍事的威嚇
中国共産党の選択3:香港占領
中国共産党の選択4:台湾侵攻
中国共産党の選択5:米中戦争

中国共産党が譲歩すれば沈静化する。だが習近平政権の権威が低下し、ライバル派閥から追い出される可能性がある。だから可能性としては低い。可能性2から4は間接的な戦争に該当し、今現在の物資でアメリカ軍と戦争可能。

これはトランプ大統領にも都合が良く、大統領選挙前でも実行可能。しかも一個米空母艦隊程度で対応できるので、香港人・台湾軍を背後から支援することが中心になる。これらは間接的な戦争だから、直ぐに始められるだけではなく、小規模な戦闘の連続で米中双方に都合が良い。欠点としては戦闘が長期化して終わりが見えない。しかし、政権維持には理想的。

米中戦争は直接的な戦争だから、戦争準備に1年間は必要。しかも勝敗を決めるから凄惨な戦争になる。これは余程の覚悟が必要。これは物資の移動と集積が確認されたら、米中戦争は間違いない。

■未来は誰が決める?

これからの動きは米中の思惑次第。中国共産党が有利な条件なら台湾侵攻もあり得る。何故なら、香港占領だと多くの国をアメリカ陣営に参加させるが、台湾侵攻なら参加する国は少ない。さらにアメリカ軍は台湾軍支援に回るから、中国が少しでも勝ち目を選ぶなら台湾侵攻する可能性がある。だが中国共産党が面子優先になれば、香港占領か米中戦争になる。これらは最悪の未来になり、後世に第3次世界大戦と呼ばれるだろう。

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