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NY、海軍病院船「コンフォート」投入

1000床、集中治療80床で病院負担軽減へ

 新型コロナウイルスの感染者数が発源地の中国を抜き、世界1位となった米国。全米各地に感染者が拡大する中、ニューヨーク州ニューヨーク市は深刻な状況に陥っている。30日午前11時、それを打破すべく一つの希望の光とも言うべき艦船がハドソン川からマンハッタンの埠頭に到着した。米海軍の病院船「USNSコンフォート」である。

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30日、アンドリュー・クオモNY州知事と到着したUSNSコンフォート (画像は本人のTwitterより)

 コンフォートは米海軍海上輸送司令部に所属する病院船だ。イラク戦争(2003年~2010年)やハリケーン・カトリーナ被災(2005年)、ハイチ地震(2010年)の際も派遣された実績のある船であるが、同市には2001年の9・11同時多発テロ以来の派遣となる。

 今回の任務は、市内の病院から新型コロナウイルス感染者以外の患者を受け入れて、病床にゆとりを作るもので、長らく病床不足に悩まされてきた病院にとって、コンフォート投入は大きな福音だ。

 全長約273メートル、全幅約32メートルに及ぶこの船にはベッド1000床、手術室12室、集中治療用ベット80床、隔離病棟1棟、医学研究室、CTスキャン装置などが備わっており、海軍から約1200人もの人員を乗船させている。ちなみにコンフォートは同型の病院船「マーシー」の2番艦であり、マーシーは既にロサンゼルスに派遣されている。

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30日、アンドリュー・クオモNY州知事と到着したUSNSコンフォート (画像は本人のTwitterより)

 マンハッタン到着直後に開かれた記者会見では、同市のビル・デブラシオ市長は、「私たちは1人ではないという証拠を持っている。私たちは孤独ではない。いざという時にこそ私たちの国は私たちを助けている」と市民を力強く鼓舞した。

 また同州のアンドリュー・クオモ州知事もツイッターで「ようこそニューヨークへ」と同艦を歓迎し、「我々は最初から病院の収容能力を拡大することは重要であると知っていた。我々が依頼して、そして政府が応えてくれた。この船は我々の新型コロナウイルスとの戦いにおける一歩前進だ」と述べた。

 コンフォートと言う力強い救援がやって来てくれた同市であるが、市内の医療体制は日に日に深刻さが増している。国内の感染者の約6割が同州に集中しており、30日の記者会見では、州内での感染者数は6万6497人となり、死者数は前日から253人増え、1218人となったと発表した。さらに州の中でもニューヨーク市だけで感染者が合計3万6221人と発表。同市内の感染拡大の深刻さが浮き彫りになった。

 同州は感染のピークが2~3週間後になると見通し、クオモ州知事も人口呼吸器や医療用マスクなどの医療物資のさらなる追加支援を連邦政府に対して強く求めている。また市民には「家にいる、(人同士)近寄らないこと、密集しないこと」と改めて強く要望した。

 新型コロナウイルスという姿の見えない敵と、かつ感染拡大という先が読めない戦いに、コンフォートは少しでも事態を緩和する助けになるだろう。

 ちなみに首都・東京の感染爆発が危ぶまれる日本では、自衛隊は米海軍のような専用の病院船は持っていない。先月14日、河野太郎防衛大臣は記者会見で、新型コロナウイルスの対応も見据えて病院船の導入を検討すると語っていた。東京都は東京都医師会と協力しつつ、病床を段階的に最大で4000人分確保することを目指しているとし、また症状が軽い患者が病院の代わりに使うホテルなどを確保するなど、症状に応じた医療提供体制の構築を急いでいる。

(デジタルメディア編集部 桑原孝仁)

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