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外出禁止反対の大統領に逆風、死者100人を突破したブラジル

 ブラジル保健省は28日、新型コロナウイルスの感染による死者が114人に達したと発表した。感染者数は中南米最大の3904人。

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28日、リオデジャネイロで、外出規制に否定的なボルソナロ大統領を支持するデモを行おうとして警察ともめるブラジル市民(EPA時事)

 ブラジル国内の感染者と死者の多くはサンパウロ州とリオデジャネイロ州に集中している。現在、どちらの州も外出禁止令や学校閉鎖などを実行し、感染抑止のために厳しい措置を取っている。

 多くの自治体が出している外出禁止令に対し、ボルソナロ大統領は「経済への打撃が大きすぎる」と反対しており、サンパウロ州のドリア知事らを「経済悪化の責任が取れるのか」と名指しで批判してきた。

 さらに、ボルソナロ氏は、長男で国会議員のフラビオ氏と共に、インターネット交流サイト(SNS)を通じて「ブラジルは止まらない」と題した反外出禁止令キャンペーンを展開し、国民に「通常の生活と経済活動に戻るように」と呼び掛けている。大統領支持派の中には、ボルソナロ氏の発言を受けて、大統領支持の集会を行おうとする動きもある。

 こうした中、リオデジャネイロの連邦地裁は28日、「科学的根拠に欠ける」として、ボルソナロ氏とその支持者らに対して、反外出禁止令キャンペーンの中止を命じた。さらに、キャンペーンには科学的根拠はなく、従う必要はないとの告知を出すことも求めた。

 また、ボルソナロ氏は「地方自治体が出した外出禁止令に教会での礼拝は含まれない」との大統領令を出していたが、これもリオデジャネイロ地裁が27日、「多くの人が集まる礼拝は新型ウイルス感染の危険性を高める」として、大統領令の撤回を命じていた。

 外出禁止令に対しては、経済的影響が大きいとしてブラジル国内でも批判は根強い。だが、一方で、サンパウロ州などは、野戦病院の建設や人工呼吸器付き病床の増設を急ピッチで進めており、自治体の長による独自のリーダーシップが医療崩壊を防ぐ時間を稼いでいるとの評価も出ている。

(サンパウロ 綾村悟)

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