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中国軍が米機にレーザー照射、米海軍は非難避ける

ビル・ガーツ

ビル・ガーツ氏

 グアム近海を飛行中だった米海軍対潜哨戒機P8が、中国軍の駆逐艦から「兵器級」レーザー光の照射を受けていたことを複数の米当局者が明らかにした。国務省は中国に抗議したものの、米海軍は中国への非難を避けており、中国軍との関係に悪影響を及ぼさないよう配慮したものとみられている。

 事件が起きたのは2月17日でグアムの西約600㌔の海域。米海軍は声明で「中国海軍の行為は、危険であり、規範に反する」と主張、海上での偶発的な事故の可能性を減らすための多国間合意に抵触していると指摘している。

 レーザーは、測距器や照準器に使用されるものであり、照射は、敵対行為として反撃を招く可能性もある危険な行為だ。

 米海軍が事件について発表したのは、国務省の中国への抗議の翌日の2月27日。海軍は、中国軍との信頼を築くため、軍事交流を重視しており、そのため強い対応を避けたのではないかとみられている。

 中国軍報道官は、事件について把握していないと発言、28日の記者説明でも触れなかった。

 中国軍は一昨年にも米軍機にレーザーを照射した。アフリカ東部のジブチで輸送機C130が、中国軍基地から複数回にわたって強いレーザー光の照射を受け、2人の乗員が目を負傷した。

 今回の事件では負傷者はなく、P8に搭載されたセンサーがレーザーを検知した。

 国際評価戦略センター上級研究員のリック・フィッシャー氏は、非難や報復措置を怠ると「南シナ海で航行の自由作戦を行う米海軍艦艇や米爆撃機への中国からの挑発は増加する」と警告。強力なエネルギー兵器を使った中国の「光戦」の時代に備える必要性を訴えた。

 ジム・ファネル元米海軍大佐は「これらは『戦争行為』と紙一重だ。中国は、米国がこれらの挑発行為を容認しないことを理解しなければならない」と、中国軍によるレーザー照射に対して武力を行使するなどの強い対応が必要との見方を明らかにした。

 レーザー照射を行った駆逐艦は、中国海軍の中でも最新の旅洋3型で、昨年1月に就役したばかりだ。米海軍のイージス艦に似ていることから、「中華イージス」と呼ばれている。

 中国は1990年代、2000年代に米国からイージス艦の技術を盗み出し、旅洋3型にも米国が開発した軍用技術が生かされている。

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