■連載一覧
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  • 米大統領選まで1年 トランプ政権の攻防
  • 2020/1/14
  • 2020/1/06
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  • 2016 世界はどう動く-識者に聞く
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  • 2015/8/09
  • 2015/1/07
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  • 香港憤激 一国二制度の危機
  • 香港・中国返還20年 「一国二制度」の前途
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  • ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選
  • 二極化する香港 識者インタビュー
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  • 「雨傘革命」下の香港 揺れる一国二制度の行方
  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
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  • 緊張 南シナ海
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  • “政熱経熱”の中韓
  • 新QDRと米中軍事バランス
  • 新グレートゲーム・幻想だった中国の平和的台頭
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  • 2013/4/18
  • ムスリム同胞団とアラブ モハメド・F・ファラハト氏に聞く
  • 多難な年明けのトルコ
  • EUと難民 UNHCRウィーン事務所報道官に聞く
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  • 2017/9/01
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  • 大阪G20サミット焦点
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  • 新閣僚に聞く
  • 懸案にどう挑む 第4次安倍改造内閣
  • 「赤旗」役所内勧誘の実態
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  • 衆院選大勝 安倍政権への提言
  • 2017衆院選 国難と選択
  • 新閣僚に聞く
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  • 新閣僚に聞く
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  • 安倍政権 新たな挑戦
  • 16参院選 注目区を行く
  • 伊勢志摩サミット
  • 憲法改正 ここが焦点
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  • 第3次安倍改造内閣スタート
  • 詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性
  • 衆院選 自公圧勝 ~課題と展望~
  • ’14衆院選 注目区を行く
  • 第2次安倍改造内閣スタート
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  • '18沖縄県知事選ルポ
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  • 国防最前線・南西諸島はいま 第1部 与那国島・陸自駐屯地
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  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
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  • 米中新冷戦 第1部「幻想」から覚めた米国
  • 検証’18米中間選挙
  • 米国の分断 第3部 「自虐主義」の源流
  • 米国の分断 第2部 反米・容共の風潮
  • 米国の分断 第1部 断罪される偉人たち
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  • 再考 オバマの世界観
  • オバマの対宗教戦争・第1部
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    安東 幹
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    坂東 忠信
    坂東 忠信
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    古川 光輝
    古川 光輝
    保守国際派
    細川 珠生
    細川 珠生
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    井上 政典
    井上 政典
    歴史ナビゲーター
    伊勢 雅臣
    伊勢 雅臣
    「国際派日本人養成講座」編集長
    宮本 惇夫
    宮本 惇夫
    企業・経営
    中村 仁
    中村 仁
    元全国紙経済記者
    石平
    石平
    評論家

    「嘘」を言ってごらん

     最近は米Foxの心理サスペンス番組「Lie to me」(邦題「ライ・トゥ・ミー」嘘は真実を語る)を見ている。人間の表情、仕草を観察し、そこからその人が何を考えているかを分析する精神行動分析学者カル・ライトマン(ティム・ロス主演)の話だ。

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    FoxTV番組「Lie to me」 Fox公式サイトから

     人は嘘を言う時、その表情、眼球、口周辺の筋肉に通常ではない動きが出てくる。それを見つけ出し、嘘を言っているのか、本当かを推理していく。その微妙な動き、表情を専門家たちは「マイクロ・エクスプレッション」(微表情)と呼んでいる。学者はインタビューや会談する時には必ずビデオを取り、後日、じっくりと会談相手の表情を追っていく。同番組は実存する精神行動分析学者ポール・エクマン氏をモデルとしている。

     同番組(2009~11年、3シーズン48話)は、人間は嘘を言う時必ずある共通の動き、表情を見せる、という前提のもとに描かれている。ニクソン大統領やクリントン大統領の演説時の写真がフラッシュバックとして登場してくる。彼らが政治的理由から嘘を言うとき、そこには必ず共通する動きがあるから、それを探し出すことで、その時の心理状況、発言内容の真偽を見分けていく。抑制されてきた本当の感情(怒り、悲しみ、幸福感など)が瞬間だが視覚的に現れてくるから、その「微表情」を分析していくことで、事件の謎を解いていく話だ。

     当方は「Lei to me」の番組と並行で今話題の「グッド・ドクター」(The Good Doctor)を見ている。自閉症でサヴァン症候群の若き医者の物語だ。「Lie to me」を見ていると、人は常に嘘をついていることが本当に分かる。決して新しい発見ではないが、時にはやりきれない気分になるからだ。

     「嘘」といえば、米TV番組「ルシファー」(Lucifer)というシリーズがある。地上界に降りた天使ルシファーは、「あなたは今、何を考えていますか」と人々に直接問いかける。ルシファーに問われた人間は心の中で考えていること、願ってきたことを正直に告白する。ルシファーの前では嘘がつけない。人を殺していた人間は警察官や裁判官の前では無罪を主張できるが、ルシファーの前ではそういかない。

     唯一の例外は、ロサンゼルス市警の女警察官クロエ・ダンサーだ。彼女は正直に自身の考えていることを語る。その内容は彼女が普段語ってきたことと一致している。彼女は嘘をついていないのだ。ルシファーは新鮮な驚きを覚え、彼女に強い関心を持つ、といったストーリーで始まる(「ルシファーの前では『嘘』はダメ!!」2019年12月4日参考)。

     少し、現実の世界に戻る。中国の習近平国家主席は、1月7日の時点で同国湖北省武漢で発生した新型コロナウィルスへの対応を指示していた、という内容の記事が流れてきた。中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授の遠藤誉氏は16日、「中共中央機関誌『求是』に習近平主席は『2月3日の会議で私は新型コロナウイルス肺炎に関して1月7日に警告した』と書いている。しかし2月3日の発表にも1月7日の発表にも、その記録はない。この弁明は後付けで、習近平は嘘を言ったことになる」と喝破している。武漢肺炎への対応で大きなミスを犯したという責任を回避するためにわざわざそのような記事を報じさせたことが分かる。

     習近平主席の嘘は中国情報に通じている人になら、直ぐに見破られてしまうレベルだろう。アイルランド出身の英国劇作家オスカー・ワイルド(1854~1900年)は、「嘘は芸術だ」と述べているが、習近平氏の嘘は芸術の域からは程遠い。習近平氏が容易にばれてしまう嘘をつかざるを得なかったということは、同氏がそれだけ追い詰められていることを示すわけだ。

     ここではなぜ人は嘘をつくのかについては考えない。人は嘘をついて生きている、という現実を再確認したいだけだ。嘘は明らかに自己防衛の手段だろう。自身の本音が白日の下に明らかになれば、生きていくのが大変になる。だから、懸命に嘘をつき、虚飾を張るが、嘘は嘘だ。永遠に続く嘘は余りない。キリスト教会の告解室に行って、神父の前で告白しなくても、人から脅迫されなくても、人はいつか嘘を告白したくなるものだ。

     米国のリベラルなメディアはトランプ大統領が大統領就任以来、何回嘘を言ってきたかを数え、それを「ファクト・ファインディング」と呼んで報じているが、嘘を言うのはトランプ氏の専売特許ではなく、メディアを含む全ての人、政治家は嘘をついてきた。

     いずれにしても、「Lie to me」が3シーズンで終わったのは幸いだった。長期連載TV番組「スーパーナチュラル」(Supernatural)」のように10シーズンを超える番組だったら、その番組を観てきた熱心なファンたちは、「人はどれだけ嘘をついて生きているか」ということを嫌というほど教えられるため、憂鬱な思いが払しょくできなくなるからだ。人は嘘を言う存在だ。他者に対してだけではなく、自身に対してもだ。

    (ウィーン在住)

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