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香港デモ対応 にらむ米中

トランプ氏 難しい判断
米上院 人権法案を可決

 米上院は19日、香港の自治と人権の擁護を目的とする「香港人権・民主主義法案」を全会一致で可決した。「一国二制度」に基づく香港の自治が機能しているかどうか米政府に毎年検証を求めるとともに、人権侵害に関わった中国政府関係者へ制裁を可能にする内容。香港のデモを支持し、中国政府の介入を牽制(けんせい)するのが狙いだ。

 成立には、すでに可決した下院の法案と内容を調整した上で、トランプ大統領の署名が必要となる。成立すれば中国が反発するのは必至だ。

 トランプ氏は現時点で同法案への態度は明確にしていない。香港情勢をめぐり過去に「中国が武力行使すれば、取引が困難になる」と牽制する発言もあったものの、2020年大統領選に向けた成果としたい米中貿易協議の「第1段階」合意への影響を懸念し、法案署名には消極的ともされる。

 ただ法案は両院とも超党派の圧倒的支持の下、全会一致で可決されたこともあり、トランプ氏が拒否権を行使するのは困難との見方もある。香港情勢をめぐって議会の突き上げが強まる中、難しい判断を迫られそうだ。

 一方、ペンス副大統領は19日の米メディアのインタビューで「トランプ大統領は、暴力があったり、問題が適切かつ人道的に扱われなかったりした場合、中国との取引を行うことは非常に難しいことを明確にしている」と述べ、貿易交渉より人権問題を優先する姿勢を示した。

 法案を主導した対中強硬派のルビオ上院議員(共和党)は声明で法案通過が「中国と香港の政府関係者に、香港の自治と人権の侵害に対する責任を負わせるための重要なステップだ」と強調。自由のために戦う香港の人たちを支持する「明確なメッセージだ」とした。

 野党・民主党上院トップのシューマー院内総務も声明で「これは習近平国家主席へのメッセージだ。自由に反対し、抗議している香港の人々に残忍な行為をしつつ、偉大な国になることはあり得ない」と表明した。

 上院はまた、催涙ガスやゴム弾、スタンガンなどの香港警察への輸出を禁止する法案も全会一致で可決した。下院ではすでに同様の法案が可決されている。

(ワシントン 山崎洋介)

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