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FBI ビザ不正取得関与の中国団体代表逮捕

技術窃取「新たな事例」に

ビル・ガーツ

ビル・ガーツ氏

 米連邦捜査局(FBI)は今月中旬、米国でハイテク技術専門家らをリクルートし、技術を違法に入手するための中国政府の計画に関与したとして、中国国際人材交流協会ニューヨーク事務所(CAIEP-NY)首席代表の柳忠三容疑者(57)を逮捕した。専門家らは、中国による技術窃取の「新たな事例」と警鐘を鳴らしている。

 柳容疑者は2017年から、研究員を装った中国当局者らが不正にJ1(交流訪問者)ビザを取得するのを幇助(ほうじょ)したとされ、有罪になれば、最大で5年の懲役刑となる。ビザは、マサチューセッツ州、ジョージア州、ニュージャージー州などの六つの受け入れ大学の支援を受けて取得されていた。

 CAIEPは、米国の科学者、識者、技術者ら専門家に、中国のハイテク開発計画への参画を求める活動を行っている。

 告発状によると、柳容疑者は、「CAIEPの職員が、米国に入国後、実際に受け入れ大学の研究活動に加わることはなく、CAIEPでフルタイム働くことになることを知った上で」ビザの手配をしていたという。

 柳容疑者は、中国系米国人などの技術者らを招くために中国共産党が推進している「千人計画」の米国責任者でもあり、告発状によると、米大学内に設けられた中国政府系教育機関「孔子学院」へのビザ不正取得にも関与していた。

 孔子学院は米国内に100以上あり、親中プロパガンダ活動を推進しているとして米議会議員らが閉鎖を求めている。

 千人計画は、中国外国専家局が推進しているもので、「会員が、米国などの企業や公的研究機関で得た知識や知的財産へのアクセス権を活用する」ことを目指している。

 議会の諮問機関、米中経済・安全保障再検討委員会のマイケル・ウェセル委員は、「中国が、違法な手段で、米国の研究内容を入手しようとしていることを示す新たな事例」と指摘、「知的財産の窃取に対処するための米中交渉が行われている最中であり、誠意をもって交渉に臨んでいるのかはなはだ疑問」と中国政府に対する不信感をあらわにした。

 中央情報局(CIA)の元高官、マーク・ケルトン氏は、「中国とロシアは、輸出が禁止されている米国の軍用技術を盗み出している。それは冷戦時の水準に達している」と強調、「米国の国家安全保障を危険にさらしている」と警告した。

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