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Keep America White Again

  Daily Beastが8月9日に配信した“El Paso Sparked Fear, but It’s ICE That Still Terrifies Immigrants the Most”によれば、“ミシシッピ州全体の大規模な作業現場で、米国移民税関当局(ICE)は700人近くを逮捕した。これは史上最大の作戦だった。違法に国内にいる疑いのある農産加工工場の労働者を標的とした襲撃は、水曜日の記者会見で記者団に語ったICEディレクターMatt Albenceによると、1年間の調査の集大成で,立ち退き命令のある個人を「迅速に」追放する“という。

  そして” この作戦は、ドナルド・トランプ大統領が米国からの最終的な撤去命令を受けた非文書化移民の「大量送還」を開始するという約束をさらに促進する。トランプは6月にICEが「違法に道を見つけた数百万人の不法外国人の除去」を国内に開始すると発表した“。

” 「私たちは移民の国ですが、何よりもまず、法の国です」と、トランプ氏が2017年にミシシッピ州南部地区検事に指名したハースト氏は語った。「法律がなければ秩序はない。法律の施行がなければ、正義はありません。」“

  同記事によると“これは、大統領自身がホワイトハウスの芝生で、エルパソ銃撃事件の現場を訪れる前に繰り返したメッセージと同じだった。記者から、「侵略」という言葉を使用して不法移民を説明したことを後悔したかどうかを尋ねられた”トランプ氏は“不法移民はこの国にとって恐ろしいことだ。合法的に入らなければならない。”と答えたという。

  これは私見では全くの正論だと思う。しかし同記事によれば“移民の権利を擁護するグループは、この作戦の規模と(補足:エルパソ事件の直後という)タイミングの両方を非難し、襲撃は既に危機に瀕した移民コミュニティを恐怖に陥れていると述べた。”という。

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(引用元: https://www.foxnews.com/media/kamala-harris-ice-raids-dhs-homan )

  何れにしてもThe Atlantic が7月15日に配信した“All About That Base”によれば、“トランプ氏は最高裁での敗北によって彼の国勢調査を使用して不法移民を見つけることができなくなった代わりに、連邦政府機関に既にあるデータを使用するだろうと言った。また連邦政府のエージェントが大規模な襲撃で不法移民を切り捨てると警告した。”という。

  この後半部分が今回の一斉取締りの予告だったのかも知れない。しかし重要なのは実は前半部分なのである。

  拙著『救世主トランプー“世界の終末”は起こるか?』(近代消防社)でも言及したが、The New Republic が7月30日に配信した“Trump’s Cynical War on American Citizenship”によれば、“ロス商務長官は、国勢調査局の専門家が市民権を持たない人の参加を減らすと警告しているにもかかわらず、2020年の国勢調査に「市民権を持っているか?」という質問を追加しようとした。6月に最高裁判所は、これに厳しい制約を加えた。”という。

  この問題の背景には“共和党は、不正確な国勢調査が選挙で彼らに利益をもたらすことを知っている。近年、共和党と保守的な法律家グループは、2020年の国勢調査後、州の総人口ではなく州の投票年齢人口を使用して、州が下院選挙区を再修正する法的基盤を築いた。共和党選挙区再修正ストラテジストHofellerは、それによって「共和党と非ヒスパニック系白人に有利」であろうと2015メモに書いた”というような問題がある。この記事によれば、このHofellerメモが外部に流出したため、トランプ政権は市民権質問の問題で、最高裁で敗訴したらしい。

  だが何れにしてもトランプ政権は、移民を減らす方向での努力を続けている。例えば“昨年、トランプ氏は上院のトップ移民タカ派によって起草されたレイズ法を支持した。これは毎年利用可能な新しい永住権の数を約500,000減らし、米国への合法的な移民が事実上半分する。この法案は共和党が両院を支配したにもかかわらず不人気で成立しなかった。(補足:実は選挙で共和党を応援する中小業者こそ低賃金で働いてくれる移民が必要だという問題があったのではないかと思われる)トランプ大統領の最近の予算は、議員の編成よりもホワイトハウスの希望リストの多くが機能し、市民権申請料の引き上げも提案した。”

  “強硬派は現在、移民と帰化を扱う国土安全保障省(DHS)の一部を運営している。先月、トランプは上院を迂回して、ケン・クッチネリを米国市民権移民局(USCIS)の代行ディレクターに任命した。この任命は、微妙な方法で優先事項を形作るのに役立つ。例えば、近年では新しい市民の帰化手続き等が遅くなっている。2017年のデータによると、現在 70万人以上の永住権(再)申請等が保留されており、一部の人は2年以上待つと予想されている。”

  “USCISは、昨年、より多くの問題を追求するためのタスクフォースを編成すると発表した。(中略)帰化したアメリカ人は、政府が申請プロセス中に嘘をついたことを証明した場合にのみ、市民権を失う。最高裁判所は最近、政府が市民権を剥奪するために小さな誤りや小さな嘘を問題にできないと裁定した。しかし、起訴されたケースがほとんどない場合でも、(補足:USCISによる摘発キャンペーン等は)多くの帰化アメリカ人に市民権が実は不安定かもしれないというメッセージを送る。”

このような問題があるからなのか、FOXが8月12日に配信した“Kamala Harris turning the ‘world upside down’ with illegal immigration rhetoric”によれば、2020年の民主党大統領候補として有望と言われているハリス上院議員は、この8月9日の一斉取締りを“国家によるテロ”的な表現で非難したという。つまり移民の人々に脅威感を与えて、国勢調査に回答させないことで、共和党に有利な選挙区割りを実現したり、あるいは諦めて自分の国に買えるように仕向けているのではないか?―と言いたいのだろう。

  それに対して元ICEディレクターのホーマン氏は、“ICEは議会が制定した法律を施行している”、“彼女がそれを好まないなら、法律を変えるべきだ。”、“(補足:米国の国境地帯で難民申請する人の)90パーセントは、迫害の本当の犠牲者ではないので、移民裁判所に認められない。彼らは経済的な理由で、この国に来る。”、“女性の31%がこの旅をするためにレイプされ、子どもたちは死にかける。これらの人々をここに来させ、違法な仕事に就くことができると考えないようにしなければならない”と反論している。

  これも私見だが、この反論は正論中の正論だと思う。特に後半部分は真の意味で人権を大事にする考え方でさえあると思う。

  更にCNBCが8月12日に配信した“Groups to sue Trump administration over rule making it harder for legal immigrants to become citizens”によれば、トランプ政権は12日に、フードスタンプ(補足:現物支給の生活保護)やメディケイド(補足:社会的弱者のための特別な公的医療保険)などの公的支援を利用する合法移民がグリーンカードを取得するのを難しくする計画を発表した。

  “公共支援の不許可規則は、100年以上にわたって米国移民法の一部だったが、トランプ政権は数値等を再定義した。”、“難民と亡命申請者は免除される。しかし、36か月間で12か月以上も公的支援を利用する法定移民の場合、この国に滞在して市民権を確保することが、より難しくなる”という。

そして“家計収入、資産等を持っている法定移民は、現在または将来の雇用の見通しを示すことができない人よりも、永住権または市民権を取得する可能性が高くなる”という。

 これだと実質的に白人系移民に有利になる可能性があるのだろうと私でも思う。そのためかThe Atlantic 7月15日前掲記事によれば、ペロシ下院議長は、トランプ氏の真の目的は“Make America Great Again”ではなく” Make America White Again”であると批判しているという。

 確かにアメリカという国の歴史と存立には色々な問題がある。しかし一応以上に白人ピューリタンが苦労して未開の地に築いた近代国家である。憲法以前に白人ピューリタンの価値観があり、それが常にアメリカが世界をNo.1の国として指導できる最大の原動力だと思う。

 そして白人ピューリタンの価値観とは、鎌倉仏教をベースに江戸時代中期までに成立した、現在の日本人独特の価値観と相通じる部分が小さくない。だからこそ日本は、非白人の国の中では最も早く近代化に成功したし、アメリカとの関係も昭和初期の一時期以外は常に良好だった。

 移民が増えたことでアメリカ国内が混乱し、世界を指導する力に翳りが出て来た。それはアメリカの同盟国日本にとっても望ましいことではない。また日本でも移民を増やす方向になっているが、アメリカ社会の現状を見ると、非常に危険なことだと思う。

 そう考えると、やはりトランプ政治は間違ってはいない。『救世主トランプー“世界の終末”は起こるか?』の中でも触れたが、実は米国のヒスパニックや黒人の間でも少子化傾向が見え始めており、白人の少子化率の方が高いことは確かだが、これ以上は非白人系の移民を制限し、白人系移民を増やせば、アメリカの衰退に歯止めが掛かると思う。

更にバノン氏が構想したように非白人にも白人ピューリタンの価値観を何らかの方法で広める。公的支援を受けている人の帰化申請を難しくする等も一つの方法だったのだろう。

 以上のことに成功すれば、トリッキーな選挙区割り等を行わなくても、共和党は選挙で有利になる。というか民主党も部分的にでも共和党化せざるを得なくなる。

そうなれば米国内も安定し再び頼りになる同盟国そして世界の指導者になるに違いない。まさに良い意味での” Make America White Again”である。

「GII REPORT」より転載
https://ameblo.jp/gii-report

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