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米戦略軍、核戦力強化へ新司令部

指揮、通信機能を大幅強化

ビル・ガーツ

ビル・ガーツ氏

 米戦略軍の新たな司令部「核指揮・管制施設」がネブラスカ州オファット空軍基地に間もなく完成する。核戦力を管轄する戦略軍の中枢となる施設であり、核兵器増強を進める中国、ロシアを視野に、高度なセキュリティーとともに、電磁パルス(EMP)攻撃に耐えられるなどの対策が講じられている。

 新司令部は、1950年代に建築された現司令部の後継。建設計画の主任マイク・コルスター氏は「この建物は抑止力の要。指揮・管制機能がなければ、兵器システムは役に立たない」と、高度な通信能力を備えた施設の重要性を強調した。

 新司令部の計画が開始されたのは2008年。12年に建設が開始され、10月に完成する。施設に6億1700万㌦、先進情報技術・通信システムの設置に6億5000万㌦が投じられている。

 現在の米軍の核戦力は、14隻の弾道ミサイル搭載潜水艦、400発の地上発射大陸間弾道弾ミニットマン3、46機の戦略爆撃機B52、20機のステルス戦略爆撃機B2を擁する。

 戦略軍は長年、軽視される傾向にあったが、近年、拡大する中国とロシアの核の脅威に備えるため、核戦力の向上の必要性を訴えるトランプ政権によってその重要性が認識されるようになった。

 現在の核兵器、運搬手段はすべて非常に古く、耐用年数は終わりに近づいている。今後20年かけて、コロンビア級戦略ミサイル潜水艦、次世代戦略爆撃機B21レイダー、「地上戦略核抑止ミサイル(GBSD)」と呼ばれている新型の地上配備ミサイルに取って代わられる。

 議会予算局(CBO)によると、19年から28年に核戦力の近代化に4940憶㌦が投入される。

 新司令部内に設置される核指揮・管制・通信センター(NC3)にはすでに300人が配置されており、エリザベス・ダーハムルイス所長は、「NC3は、(米国の核戦争体制の)中枢神経であり、大統領からの命令を受けて任務を遂行する」と述べた。

 NC3は4月に活動を開始し、設備には200億㌦が投じられた。一部の施設が破壊されても、通信に支障を来さないよう冗長性の高い空中・宇宙・地上・海上通信ネットワークを備え、核攻撃時など、あらゆる条件下でも兵員らに命令と情報を送る。

 中でも重要なNC3の機能は、通信網に接続される新型の潜水艦、ミサイル、爆撃機をサポートできるよう「指揮・管制能力を近代化する」(ダーハムルイス氏)ことにある。

 ダーハムルイス氏によると、中国が衛星破壊兵器を使って主要指揮・管制衛星を破壊するようなことがあっても「何重ものシステムで冗長性を持たせてあり」ネットワークが切れることはないという。

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