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米、一帯一路の呼称変更を警戒

中国、イメージ向上狙う

ビル・ガーツ

 米国のインド太平洋軍によると、中国はシルクロード経済圏構想「一帯一路(ワン・ベルト・ワン・ロード、OBOR)」の英語の呼び名を変更し、世界的覇権の拡大を目指す一帯一路の攻撃的なイメージを緩和しようとしている。一帯一路は、習近平国家主席が提唱したインフラ投資計画で、その規模は1兆ドル。米政府は、世界的な影響力と軍事力投射能力を拡大するための計画とみている。

 OBOR構想と呼ばれてきたが、中国政府指導部は、「一」の文字が2度使われているため、国際社会に、中国は世界で米国に取って代わろうとしているという印象を与えるのではないかと、呼称を変更したという。だが、変更したのは英語名だけだ。現在、英語では「帯路(ベルト・ロード)」構想(BRI)と表記されている。一帯一路への中国の世界進出という攻撃的なイメージを緩和する狙いがあるものとみられている。

 中国政府は、水面下でプロパガンダを開始、国内では国営新華社通信、海外では「ボイス・オブ・チャイナ」のケーブルテレビとラジオを動員して一帯一路の呼称をすべて排除しようとしている。名称の変更が、太平洋軍の中将によるブリーフィングで公表されたことを受けて、米政府は、BRIの呼称の使用中止を各機関に呼び掛けた。

 一帯一路構想は、米国などの大学に設置された「孔子廟」と共に、中国による民主主義国家への影響力強化にも使用され、呼称変更によって、世界的な影響力拡大を狙う一帯一路への支援が強まるのではないかと懸念されている。

 ランディ・シュライバー国防次官補(アジア太平洋安全保障担当)は9月、中国軍が一帯一路で重要な役割を果たしていると指摘。「中国軍は、略奪経済を前面に出した一帯一路の包括的戦略を支援しており、両者は互いに支え合い、補完し合う関係にある」と警戒を呼び掛けた。

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