■連載一覧
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  • 米国の分断 第2部 反米・容共の風潮
  • 米朝“宴の後”で 非核化・拉致問題の行方
  • 米朝首脳会談の焦点
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  • 香港・中国返還20年 「一国二制度」の前途
  • 台湾に吹いた蔡英文旋風
  • ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選
  • 二極化する香港 識者インタビュー
  • 香港誌「前哨」編集長 劉達文氏に聞く
  • 「雨傘革命」下の香港 揺れる一国二制度の行方
  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
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  • 危機のアジア 識者に聞く
  • 南シナ海 強まる中国支配 安保専門家に聞く
  • ドゥテルテ大統領就任から3カ月 どこへ向かう比政権
  • 香港「自治」の行方 識者に聞く
  • 中華圏に浸透する同性婚
  • 中台関係の行方
  • 日米同盟と台湾 海洋安全保障の展望
  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
  • ASEANの夜明け アジアハイウエー7000キロルポ
  • 緊張 南シナ海
  • 中央アジア胎動 中国「新シルクロード」と日本の戦略
  • “政熱経熱”の中韓
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  • 新グレートゲーム・幻想だった中国の平和的台頭
  • 新グレートゲーム・中国南進の海
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  • ムスリム同胞団とアラブ モハメド・F・ファラハト氏に聞く
  • 多難な年明けのトルコ
  • EUと難民 UNHCRウィーン事務所報道官に聞く
  • ロシアのシリア内戦介入 アルアハラム財団事務局長に聞く
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  • 憲法改正 私はこう考える
  • 衆院選大勝 安倍政権への提言
  • 2017衆院選 国難と選択
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  • 第3次改造内閣 信頼回復へ始動
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  • 新閣僚に聞く
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  • 再改造内閣 始動
  • 安倍政権 新たな挑戦
  • 16参院選 注目区を行く
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  • 憲法改正 ここが焦点
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  • 第3次安倍改造内閣スタート
  • 詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性
  • 衆院選 自公圧勝 ~課題と展望~
  • ’14衆院選 注目区を行く
  • 第2次安倍改造内閣スタート
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  • 歪められた沖縄戦史 慶良間諸島「集団自決」の真実
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第2部 自衛隊配備へ動く石垣島
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第1部 与那国島・陸自駐屯地
  • 激震・翁長県政 「オール沖縄」の凋落
  • 普天間基地移設 経緯の検証と提言
  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
  • 2018/4/07
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  • 2016/10/12
  • 2016/1/26
  • 2015/10/01
  • 2013/7/08
  • どうなる米朝首脳会談
  • 検証 南北首脳会談
  • どう見る北の脅威
  • 北暴走 揺れる韓国
  • どう見る北の脅威
  • 北朝鮮 制裁の現実
  • どう対処 北の脅威 米有識者に聞く
  • 9年ぶり左派政権 文在寅大統領の韓国
  • 弾劾の波紋 漂流する韓国政治
  • 検証・金正恩統治5年
  • どこへ行く混迷・韓国 国政介入事件の深層
  • どう見る金正恩体制 日韓専門家対談
  • 迎撃ミサイル配備 韓国の決断
  • 3代世襲“完成” 北朝鮮第7回党大会
  • 検証 元料理人 藤本氏の再訪朝
  • 韓国総選挙ショック
  • 日韓国交正常化50年 識者に聞く
  • どうする拉致解決 日朝ストックホルム合意1年
  • 日韓国交正常化50年 「嫌韓」「反日」を越えて
  • 張成沢氏失脚 北で何が起きたか
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  • 環境先進国フランスの挑戦
  • 迫る気候変動の脅威 どうする大災害への備え
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  • 2015/9/21
  • 米国の分断 第1部 断罪される偉人たち
  • 「米国第一」を問う トランプを動かす世界観
  • トランプのアメリカ 就任から1年
  • トランプVSリベラル・メディア
  • 「情報戦争」時代と米国
  • 米軍再建への課題-元上級将校の提言
  • トランプ政権始動
  • トランプ大統領の衝撃 米国と世界はどこに向かう
  • トランプvsヒラリー 米大統領選まで1カ月
  • オバマのLGBT外交 米国と途上国の「文化戦争」
  • トランプVSヒラリー 米大統領選まで3カ月
  • オバマ外交と次期米大統領の課題
  • 2016年米大統領選まで1年
  • 再考 オバマの世界観
  • オバマの対宗教戦争・第1部
  • オバマの対宗教戦争・第2部
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  • 2013/9/30
  • JAXA宇宙探査計画
  • 2015/12/24
  • 長谷山 崇彦
    長谷山 崇彦
    農学博士
    乾 一宇
    乾 一宇
    元防衛研究所研究室長
    加瀬 みき
    加瀬 みき
    米政策研究所
    茅原 郁生
    茅原 郁生
    中国安全保障
    濱口 和久
    濱口 和久
    防衛レーダー
    菊池 英博
    菊池 英博
    日本金融財政研究所所長
    小松 正之
    小松 正之
    東京財団上席研究員
    高永喆
    高永喆
    拓殖大学客員研究員
    新田 容子
    新田 容子
    サイバー安全保障
    岡田 真理
    岡田 真理
    フリーライター
    杉山 蕃
    杉山 蕃
    元統幕議長
    竹田 五郎
    竹田 五郎
    元統幕議長
    田村 重信
    田村 重信
    元自民党政務調査会審議役
    上岡 龍次
    上岡 龍次
    戦争学研究家
    呂 永茂
    呂 永茂
    南北戦略研究所所長

    米朝関係の今後と反理性主義

     今回の米朝会談に関しては米国内では保守派も左派も評価が低いようだ。北朝鮮非核化のプロセス等に具体性のないまま、北朝鮮の人権抑圧的な体制を保証し、日韓に相談もなく米韓合同軍事演習の中止に言及する等、北朝鮮に譲歩し過ぎではないか?中間選挙向けの人気取りと評価する向きも多いようだ。

     またG7を巡ってカナダのトルドー首相と対立した直後に金正恩との派手な“和解ショー”を演じたことにも米国内では異論が多い。

     最もトランプ寄りと思われているFOXテレビでさえが、6月12日に配信した“McEnany Blasts Anti-Trump Press After Historic Summit”という記事の中で、共和党全国委員会スポークスマンMcEnany氏の“トランプ大統領は歴史的平和を達成しつつある”という言葉を主として紹介しつつも、以上の諸件―特にカナダの問題にも言及。トランプ政権の機関紙的なBreitbartでさえが、6月12日に配信した“Donald Trump on Kim Jong-un”の中で非核化の具体性等に関し懸念を表明。やはり保守系シカゴ・トリビューンも6月11日に配信した“Summit’s outcome rests on substance, not symbolism”という記事の中で以上の諸件に触れ、またヤルタ会談からレイキャビック会談に至る歴代大統領による歴史を作った会談と比較しても不確実性が高いと批判し“象徴的出来事も大事だが、具体的問題が全てだ”と結んでいる。ただ同紙もトランプ氏の選挙対策の側面を指摘しているが、そうであれば今後の展開でも失敗なくやろうとする筈だーと期待とも思える表現もしてはいる。

     リベラル派ではNew Yorkerが6月12日に配信した“The Winners and Losers of President Trump’s Meeting With Kim Jong-un”という記事の中で今回の会談は対内的に政治的得点を稼いだトランプ氏と対外的に承認された金正恩の勝利であり、堅実に基礎を築いて行く従来型の外交官と、そして人権擁護派の敗北だったと結論付けている。ワシントン・ポストも6月12日に配信した“The good and the bad from Trump’s North Korea summit”という記事の中で上記の諸件に触れて今回の会談を批判。それだけではなく今の共和党ではトランプ氏に反対すると予備選挙に当選できないため多様な意見がなくなりつつあり民主主義の危機であると読める部分まである。

     実際、米朝会談開催が具体化してから、各州の予備選挙で共和党主流派の推す中道穏健派の候補者よりもトランプ氏にイメージ的に近い候補者の方が当選していることは事実だ。しかし場合によっては中道穏健派の候補をトランプ氏が応援していたのに、バノン氏が応援していた候補者が勝ったり、また民主党も共和党の選挙結果に反発したのか中道穏健派より極左に近い候補者が多く当選している。そして米朝会談が具体化する前は、むしろ民主、共和両党ともに中道穏健派の候補者の方が相対的に勝っていた。

     トランプ氏はイメージと違って政策的には中道穏健派に近い。また極左の多くなった民主党が下院で多数を奪回すれば、弾劾騒ぎに発展する可能性も高まる。今回の米朝会談はトランプ大統領と共和党にとって、両刃の劔になりかねない。

     だからなのかThe hillが6月12日に配信した“With caveats, Republicans praise Trump’s summit with Kim Jong Un”という記事によれば、複数の共和党の有力議員も今回の会談に批判的な発言をしており、また上院外交委員長のコーカー氏(共和党)も、正式な決定は議会を通して条約化するべきと主張。イラン核合意が議会をパスしてオバマ政権に作られたことへの反発から、この意見は尊重される可能性が高い。

     実は共和党は米朝会談と同じ日にイラン核合意を再開できなくする決議を上院で行おうとしたが、そのためには予算措置等の関係か過半数ではなく6割の賛成が必要で、民主党内にも反イラン派議員がいなかったわけでもないにも関わらず、この決議を通すことに失敗している。まして正式の条約の形にする為には、3分の2の絶対多数―つまり67票が上院で必要とされる。

     今回の合意が、このまま行く可能性は、意外に低いのではないか?トランプ大統領も、金正恩が約束を破れば自分も態度を変えると言明してはいる。

     ところでトランプ大統領は、日本人拉致問題に関して会談内で言及したと言及したが、合意文書には一切出ていない。むしろ合意文書では、朝鮮戦争時に行方不明になった元米兵の(遺骨等の)帰還問題が明記されている。

     これが国際政治の現実なのである。日本では「力による平和」という考え方に嫌悪を催す人が多いようだが、それ以外の“平和”は有り得ない。

     日本も拉致被害者を取り戻したければ、核武装するくらいのことを考えるくらいで良いように思う。因みに日本側が今まで知らなかった拉致被害者数名が確かに北朝鮮で生存しており、日本からカネを引き出すための最後のカードとして、その人々を返すという話は、2004年ごろからあったと思う。この問題は今後の日朝交渉で再び出て来る可能性がある。その結果カネを取られるだけで日本が納得する拉致被害者関係の情報開示は、あくまで北朝鮮はメンツを守るためにしないだろう。やはり核武装くらいの覚悟がない限り日本は、カネを出さされるだけで何時までも納得いかない侮辱的立場に甘んじるしかない。それで良いと考える日本なら滅亡した方が良いと最近の私は思う。

     このような考え方は反理性的に思われるかも知れない。しかし反理性的なことが悪いことだろうか?

     保守系Washington Examinerが6月12日に配信した“On North Korea, a president who tried something different”という記事の中では、トランプ大統領の今までの大統領と違ったアプローチが、今回の会談という今までの大統領が出せなかった少しでも前向きな結果を出したと評価。そして何とリベラルの代表ニューヨーク・タイムスが6月12日に配信した“Trump and Kim Have Just Walked Us Back From the Brink of War”という記事の中で「悲惨な戦争をするのよりはマシ」といった論調だが、この度の米朝会談を少しでも肯定的に評価し、それが実現できたのはトランプ大統領のunconventional approachのお陰であると評価している。

     つまりNew Yorkerの言ったような従来型の外交とは異なったアプローチを評価しているのである。このunconventional approachを「反理性主義的アプローチ」と訳したら意訳のし過ぎだろうか?トランプ氏の登場自体が理性中心の欧州大陸的文明の行き詰まりに対して、アグロサクソンの経験や直観を重視する行き方の復活の部分がある。彼自身、自らをMad Manと呼ぶことがある。理性でしか思考できない者は反理性的な直観の優れた者に破れるのである。例えば従来の外交官が実現できなかった会談をトランプ氏が実現したように。

     逆に見れば今後の展開次第ではMad Manが北朝鮮を攻撃する展開も全く無くなったわけではないと思う。実際WSJが6月13日に配信した“The Risky Calculus of the Trump-Kim Embrace”にもあるように、アメリカは経済制裁を緩めてはいないのである。ワシントン・ポスト前傾記事でも北朝鮮の非核化には長い時間と労力が必要と書かれている。

     このプロセスを意図的に長引かせることで、トランプ氏は2020年の大統領再選を狙っているという説は、日米双方で囁かれている。ちょうど小池都知事の豊洲移転問題のように…。しかし投票による民主制とは、そういうものなのだ。そのような政治家の野心の結果として良い結果が出れば良いのだ。シカゴ・トリビューン前傾記事にあるように…。

     何れにしても在韓米軍の縮小等はトランプ氏の選挙公約だった。Daily Beastが6月13日に配信した“His Korea ‘War Games’ Comments Play Into Russian Hands”の中でも、米韓軍事演習の停止は、ロシアにNATO軍合同軍事演習停止を要求する口実を与えるという専門家の意見を紹介しているが、NATOはトランプ氏が大統領になってから、それまで守っていなかった“軍事費GDP2%”条項を守る方向になっている。WSJが6月14日に配信した“South Korea Bulks Up Military Might While Preparing for Peace”という記事でも韓国そして日本が、アメリカの大幅なアジアからの撤退に備えて米国頼みだけではない国防が可能なように軍事力の増強を始めていることが指摘されている。

     そのような日韓の“軍拡”に刺激されたり、あるいは非核化の長いプロセスの途中で相互不信が再燃し再び米朝が対決モードになるかも知れない。そのような展開になった時、再び日本の核武装等が真剣に考慮されるようになるかも知れない。

     トランプ大統領は大統領予備選の最中に一度でも日本の核武装に言及したことがある。例によって反理性主義的なアドリブ発言だったかも知れない。だがRoll Callが6月13日に配信した“Trump Trip Showed New Approach to Presidency”によれば、このような“トランプ流”は、少なくとも共和党の政治家には浸透しつつあるようだ。このまま行けば理性文明が崩壊し、より良い新しい文明が、アメリカから世界に広がるかも知れない。

     実際、The Hillが6月13日に配信した“Two Norwegian lawmakers nominate Trump for Nobel Peace Prize”という記事では、ノルウエーの二人のトランプ氏と政治観(移民反対や「小さな政府」等)を共有する国会議員が、トランプ氏に2019年度のノーベル平和賞授与の方向で動き出したという。これが実現すれば少なくともトランプ流の反理性主義が、世界に認められたことになる。反理性文明拡散の重要な契機になる。

     そうなれば日本が核武装等も含めて「強い国家」になれる可能性も高まる。そのような事態を“武士道精神の復活”と考える私としては、期待して待ちたいと思う。


    「GII REPORT」より転載
    https://ameblo.jp/gii-report

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