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    遠藤 哲也
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    蒲生健二
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    井上 政典
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    伊勢 雅臣
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    石井 貫太郎
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    宮本 惇夫
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    宮塚 利雄
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    中村 仁
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    中澤 孝之
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    丹羽 文生
    拓殖大学海外事情研究所准教授
    太田 正利
    太田 正利
    外交評論家
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    ペマ・ギャル...
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    佐藤 唯行
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    石平
    石平
    評論家
    新宿会計士
    新宿会計士
    政治経済評論家
    長谷川 良 (ウィーン在住)
    長谷川 良 ...
    コンフィデンシャル
    渡瀬 裕哉
    渡瀬 裕哉
    早稲田大学招聘研究員
    山田 寛
    山田 寛
    元読売新聞アメリカ総局長

    米中関係の変容と欧州にも波及する「中国脅威論」

    米中貿易戦争」は出来レース?

     「米中貿易戦争」の火ぶたは切られた。米通商代表部(USTR)は4月3日、米国の知的財産を侵害する中国に対し、通商法301条に基づく制裁措置として、25%の追加関税を課す対象品リストの原案を公表した。これに対し、中国国務院(政府)は4月4日、米国から輸入する106品目に25%の関税を上乗せする報復措置を発表した。

     両国の動きは早い。応戦する側の中国は独裁政権だが、それでも翌日、具体的な報復処置の発表に至るこの早業は出来レースにも見える。
    米中の金融・経済政策は長年、ある顧問委員会を通じて深く連携し合ってきた。清華大学経済管理学院顧問委員会である。米中を核とする同顧問委員会を2000年に創立したのは、清華大学出身の朱鎔基首相(当時)である。その朱元首相を名誉顧問に、名誉委員が王岐山国家副主席(前序列6位)、メンバーには中国人民銀行の周小川前総裁、楼継偉元財政相、中国中信集団有限公司の常振明董事長、ブッシュ(子)米政権で財務長官を務めたヘンリー・ポールソン、米金融大手で「ガバメント・サックス」の別名もあるゴールドマン・サックスのロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)、オルタナティブ投資会社としては世界最大のブラックストーン・グループ創立者の一人、スティーブ・シュワルツマン……。
    さらにアップルのティム・クック、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ、アリババ集団のジャック・マー(馬雲)、テンセント(騰訊)のポニー・マー(馬化騰)、シャープを買収した鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘など超大物CEOや会長の名前が並ぶ。

     注目したいのは、次期大統領への就任が決まったドナルド・トランプの元へ早々に出向いたのは、やはり同顧問員会メンバーのソフトバンクの孫正義会長、アリババ、ホンハイの会長である。また、オバマ大統領時代の2015年9月、習近平国家主席が米国へ公式訪問をした際に、最初に訪れた西海岸のシアトルで開催された「米中ビジネス・ラウンドテーブル」という会合で出迎えたのは、アップル、フェイスブック、アリババなどのCEOや会長。すなわち同顧問員会のメンバーが中心だった。

     昨年10月、第19回中国共産党大会が終了した直後にも、習主席は同顧問委員会の米中の主要メンバーと人民大会堂で会見している。

     そして今年3月の新人事で、金融・経済担当の副首相に就任した劉鶴(中央政治局委員)も同顧問委員会のメンバーである。ハーバード大学で公共管理の修士を取得した劉鶴は、習主席の中学時代の同級生とされ、胡錦濤時代から党中央財経指導小組弁公室の副主任を10年間務め、第1次習政権で主任に昇格。事実上、米財務長官のカウンターパートを担っていた。

     スイス・ダボスで1月に開かれた世界経済フォーラム(WEF)年次総会で演説した劉鶴は、3月初旬の訪米時にスティーブン・ムニューシン財務長官や、ロバート・ライトハイザー通商代表部(USTR)代表などと協議をしている。

     このように、習主席とも密接な関係にある清華大学経済管理学院顧問委員会から、第2次習政権も米中の金融・経済政策の主軸となるツートップ=王岐山国家副主席、劉副首相が輩出された。

     すなわち米中は人事にも少なからず介入し合い、米中貿易戦争の〝段取り〟もしていたと推測できる。であれば米中関係は、日米安保条約をはるかに上回る〝談合〟体制で〝忖度〟もあるはずだ。

     それと、「対中強権派」として知られるライトハイザー代表は、レーガン政権のUSTR次席代表として、1980年代当時、最大の対米貿易黒字国である日本からの鉄鋼輸入を制限するなど、「対日強硬派」としても知られる人物である。日本も安穏とはしていられない。

    欧州連合にも広がる「中国脅威論」

     ただ、トランプ政権の米中関係、金融・経済政策はこれまでの流れとは明らかに異なる。その象徴的存在といえるのが、ピーター・ナヴァロ通商製造政策局長、カリフォルニア大学アーバイン校の元教授である。『米中もし戦わば 戦争の地政学』(文芸春秋)や、ドキュメンタリー映画化した『デス・バイ・チャイナ』(グレッグ・オートリーとの共著)などを発表し、「同時多発テロ(2001年9月11日)以降、米国はテロとの戦いに追われ中国を野放しにした」「共産党独裁政権の中国の覇権追及は不変」「米中衝突を回避するには、中国の軍事力増強の基礎である経済力を弱め、
    一方で米国の国防力を増強することで、中国による米国覇権への挑戦意欲をそぐしかない」などの持論を展開している。

     大統領選からトランプ陣営の政策アドバイザーだったナヴァロは、トランプ政権発足時に新設の国家通商会議(NTC)議長に起用されたが、通商製造政策局長として、ギャリー・コーン国家経済会議(NEC)議長の組織下に置かれ、影響力を発揮できなかった。そのコーン議長が3月に辞任を表明したことで、ようやく存在感が際立ってきた。

     中国経済について、ナヴァロ局長は「共産主義的な『国家資本主義』を推進し、自由市場と自由貿易の代わりに、政府を後ろ盾にする国有企業を発展させることで重商主義と貿易保護主義の政策を展開させている」と解説している。

     トランプ政権の使命は、米中貿易不均衡へのテコ入れに留まらず、WTO(世界貿易機関)加盟国でありながらルールを順守せず、保護主義かつ詐欺的な経済活動を続ける中国の力を相対的に弱めることだ。その目的は、中国の軍事的台頭、世界覇権を是が非でも阻止することに集約される。

     さらに、欧州にも変化がみられる。欧州連合の28カ国中、ハンガリーを除く27カ国の駐北京大使が、習政権が掲げる「一帯一路」について「自由貿易を打撃し、中国企業の利益を最優先している」と批判する内容の報告書を作成したことが報じられた。

     中国を専門とするシンクタンクのメルカトル中国問題研究所(ベルリン)も2月、グローバル公共政策研究所(GPPi)と共同で「中国・覇権主義の台頭;欧州で拡大する中国の政治的影響力を読む」という報告書を発表し、欧州側から見た「中国=脅威」論を打ち出している。同報告書は、「クリミア編入など政治的行動の目立つロシアとは異なり、中国に対する欧州の警戒感は緩いが、中国政府は欧州の政治・経済のリーダーやメディアの取り込みを急速に進めている」と指摘している。

     日本は一体、何をやっているのか!

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