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中露のインフラへサイバー攻撃も

 米サイバー軍司令官、国家安全保障局(NSA)局長に指名されているポール・ナカソネ陸軍中将は上院公聴会で先月、米軍のサイバー部隊は、中国、ロシアとの間に紛争が起きた場合、サイバー攻撃を行って、両国の重要インフラを停止させる用意があることを明らかにした。

米次期サイバー軍司令官が証言

 中露両国が、送電網、輸送、金融など米国の重要インフラに使われているネットワークの調査を行っていることは知られているが、米軍による外国のインフラに対するサイバー攻撃が公の場で取り上げられるのはこれが初めて。

ビル・ガーツ

 ナカソネ氏は、「米国は難しく、不安定な脅威に直面している。その中で最も重要なのは、国家安全保障に関わる権益、重要インフラへのサイバー攻撃の脅威だ」とネットワークを通じたインフラ攻撃の脅威を強調。米国の重要インフラへのサイバー攻撃に対する抑止力として、攻撃を仕掛けた国のインフラを停止させたり、妨害したりする能力を備えていることを明確にした。

 同氏によると、有事に備え外国のインフラを調査するなどの極秘活動は現在、米軍司令官の権限で認められているという。

 米国防科学委員会は昨年2月の報告で、「民間のインフラへの大規模サイバー攻撃が行われれば、電気、カネ、通信、燃料、水の流れが遮られ大混乱を引き起こす可能性がある」と指摘、米国のインフラが中露からの攻撃に対して脆弱(ぜいじゃく)であることに警鐘を鳴らしている。

 米国による、中露企業へのサイバー攻撃についてはあまり知られていないが、NSAの元職員エドワード・スノーデン容疑者が暴露した文書から、NSAがサイバー軍と協力して、外国のネットワークに侵入していたことが分かっている。中国政府に近いとされる通信企業ファーウェイ・テクノロジーズのネットワークに侵入して、中国の重要インフラに攻撃を仕掛けられるソフトウエアを埋め込むことが承認されていたという。

 ナカソネ氏はさらに、サイバー軍がサイバー情報収集・攻撃能力を使って、ロシアのプーチン大統領の資金、資産を操作することも可能だと指摘した。

 米ニュースサイト、ワシントン・フリー・ビーコンによると、プーチン氏の個人資産は280億㌦に上り、そのほとんどがロシア国外の銀行に隠されているという。ナカソネ氏は、プーチン氏の資産を脅かすことは、選挙への介入などをやめさせる上で効果的だと考えていることを明らかにした。

 国防総省のサイバー政策計画・作戦部の元部長マイケル・スルメイアー氏は、米国は敵国よりもインターネット利用度が高く、サイバー戦になれば大きな被害を受けやすいため、サイバー抑止力が効果を挙げることはないと指摘、「敵を阻止するのでなく、敵を混乱させるアクティブなサイバー政策を追求すべきだ」と訴えている。

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