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米政権、中国の太陽光発電資材に関税か

エネルギー価格上昇の懸念も

 ブームに沸く米国の太陽光発電。しかし関連資材メーカーは、中国などからの安価な資材によって競争力が削がれているとして、厳しい対抗措置を政府に要求。その一方で、業界のリーダーらは、関税が掛けられれば、資材が高騰し壊滅的な被害を及ぼす可能性があると懸念している。

 トランプ大統領は、業界側からの要請を受けて、関税を掛けることを検討、来週にも判断を下すとみられている。貿易赤字の縮小を政策の目玉に掲げるトランプ氏は、低価格の製品を米国に輸出する中国などへの制裁措置を検討している。

 政府に対応を求めたのはサニバとソーラーワールド。両社は、関税が掛けられていないため外国製品との競争は事実上、不可能と訴えている。米国際貿易委員会(ITC)は昨年、この主張を受け入れ、外国の関連資材が国内企業の経営を圧迫していることを認めた。

 しかし、海外からのこれらの安価な資材が、近年の太陽光発電業界の急成長を支えてきた。太陽光エネルギー産業への大規模投資が行われ、企業や家庭での導入も進んだ。太陽光パネルの価格は、2010年以降70%下落し、この10年間でこの部門の雇用も著しく成長した。

 太陽光が占める国内のエネルギー市場のシェアも上昇しており、業界の指導者らは、関税という形で政府が介入すれば、壊滅的な被害を受けると主張している。

 関税導入に強く反対している太陽光エネルギー産業協会のCEO、アビゲイル・ロス・ホッパー氏は「政府がこの規模で介入すれば、エネルギー価格は上がる」と指摘、そうなれば、業界内の数万人の雇用が失われると主張する。

 関税導入はさらに大きな危険をはらんでいるという指摘もある。関税による価格が上昇すれば、再生可能エネルギーは長期的に見れば、化石燃料よりも安価という環境保護論者らの主張が崩される可能性があるからだ。

 エネルギー関連情報を配信するS&Pグローバル・プラッツ社の排出・クリーンエネルギー分析部長のジェフ・バーマン氏は「4月からこの問題に取り組んできた。業界も同じだ。その理由の一つは、再生可能エネルギーのコストは今後も下がり続けるという業界の大前提に真っ向から対立するからだ。しかしこの8カ月間で業界では、この前提が崩れる可能性に対処する必要性が出てきた」と指摘、政府の判断を前に、業界が対応を迫られていることを明らかにした。

(ワシントン・タイムズ特約)

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