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米、シリアに軍事攻撃 巡航ミサイル 59発

トランプ米大統領、化学兵器使用と断定

 米軍は米東部時間6日午後8時40分(日本時間7日午前9時40分)ごろ、シリアの空軍基地に対し、巡航ミサイル「トマホーク」59発を発射した。トランプ米大統領はシリアのアサド政権が化学兵器を使った攻撃を行ったと断定し、対抗措置として軍事行動を命じたと説明した。米国がシリアのアサド政権に対して攻撃を行うのは初めてで、シリア内戦は新局面を迎えた。

巡航ミサイル

7日、地中海上の米ミサイル駆逐艦からシリアに向けて発射された巡航ミサイル(EPA=時事)

 トランプ氏は記者団を前に声明を読み上げ、「致死性の化学兵器の拡散と使用を防ぎ、抑止することは、米国の死活的な国家安全保障上の利益にかなう」と強調。「全ての文明国に対し、われわれと共に、シリアでの虐殺と流血および全ての種類、あらゆるタイプのテロの終結も目指すよう求める」とし、国際社会に協力を呼び掛けた。

 米国防総省によると、地中海東部に展開した米駆逐艦「ポーター」と「ロス」からシリア中部ホムス県の空軍基地に向けて巡航ミサイルを発射し、航空機や燃料庫、防空システムなどを攻撃した。米情報機関は、この基地から離陸した空軍機が、シリア北西部イドリブ県で化学兵器を使った攻撃を行ったと分析している。

トランプ氏

6日、米フロリダ州で、シリア攻撃について説明するトランプ大統領(AFP=時事)

 在英のシリア人権監視団によると、米軍の攻撃で中部ホムス県のシャイラト空軍基地がほぼ完全に破壊され、シリア兵ら少なくとも7人が死亡した。

 トランプ氏は最優先課題に掲げる過激派組織「イスラム国」(IS)掃討に専念するため、アサド大統領の退陣に必ずしもこだわらないとしてきたが、今後は政策を転換するとみられる。米メディアによると、シリアへの攻撃はロシアに事前通知していた。

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 アサド政権による化学兵器使用については、オバマ前大統領が「レッドライン(越えてはならない一線)」だとしていたが、使用後も具体的な直接行動を起こさなかったことから批判されていた。トランプ政権が化学兵器を使用したとみられる攻撃後、すぐにシリアへの軍事攻撃に踏み切ったことは、オバマ政権との違いを際立たせる狙いもある。

 米紙ワシントン・ポストは、シリアへの攻撃は中国が北朝鮮の核開発に対して圧力を強化しないなら、米国が北朝鮮を攻撃する意思があると警告する意味もあるとしている。

(ワシントン岩城喜之)

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