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強硬路線「ハッカニ派」の影響力拡大 アフガン

タリバン内で穏健派と対立

アフガニスタンの道路脇に設置されたタリバンの初代最高指導者故オマル師(左)とハッカニ・ネットワーク創設者の故ジャラルディン・ハッカニ氏の看板=9日、カブール(AFP時事)

アフガニスタンの道路脇に設置されたタリバンの初代最高指導者故オマル師(左)とハッカニ・ネットワーク創設者の故ジャラルディン・ハッカニ氏の看板=9日、カブール(AFP時事)

 アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンの暫定政権で、タリバンの一派「ハッカニ・ネットワーク」(ハッカニ派)が存在感を高めている。かつてアフガン駐留米軍に執拗(しつよう)な攻撃を仕掛け、対米和平交渉を主導した穏健派と一線を画した最強硬派。話し合いに主軸を置く穏健派の力をそぐ形で、じわりと組織内で権勢を拡大させつつある。

 指導者シラジュディン・ハッカニ氏は米軍や民間人へのテロを繰り返し、米メディアから「残忍な司令官」と恐れられた存在だ。米連邦捜査局(FBI)から手配され、国務省も拘束に1000万ドル(約11億円)の賞金を懸けている。

 反政府勢力だったタリバンで、ハッカニ氏は副指導者の一人を務め、米紙ワシントン・ポストによれば、国際テロ組織アルカイダとの「主要な調整役」を担った。今月発足したタリバン暫定政権では、枢要ポストの内相代行に抜てきされた。

 潜伏生活を続けるハッカニ氏だが、タリバンの報道担当者は16日、同氏が国連機関高官と会談し、アフガンの人道支援について協議したとツイッターで表明。閣僚として「表舞台」に登場することで、政権内での影響力を誇示する狙いがあった可能性がある。

 また、英BBC放送は、タリバン幹部の情報として、副首相で穏健派と目されるバラダル師の支持者と、ハッカニ派のメンバーが口論になったと報道。内紛はネットで大きく取り上げられ、バラダル師の負傷、死亡説まで流れた。同師は後にビデオ映像を公開し、「神のおかげでわれわれは良好な関係を保っている」と否定したが、対立するハッカニ派に手を焼く様子をうかがわせた。

 安全保障関連のコンサルティング企業の幹部クラーク氏はポスト紙に対し、ハッカニ派は「タリバンが『穏健』と見なされることを許さず、そのために政権に加わっている」と指摘。目下、世界的なジハード(聖戦)の展開よりも、国内での影響力拡大を目指しているという見方を示した。

(時事)

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