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タリバン新政権 財政難の恐れ

支援停止で麻薬産業依存も

ケシから生アヘンを採取するアフガニスタンの農家ら=2020年5月、東部ナンガルハル州(EPA時事)

ケシから生アヘンを採取するアフガニスタンの農家ら=2020年5月、東部ナンガルハル州(EPA時事)

 【ニューデリー時事】アフガニスタンでイスラム主義組織タリバンが実権を掌握後、各国や国際機関が資金凍結や財政支援停止を表明する動きが相次ぎ、タリバン新政権が成立しても財政難から政府が機能不全に陥る可能性が出てきた。タリバンは、アフガンで盛んな麻薬産業の撲滅を宣言したものの、財源として同産業への依存を強める恐れもある。

 これまでアフガンへ約53億ドル(約5830億円)規模の支援を表明してきた世界銀行は24日、「アフガンの状況、特に女性(の人権)についての懸念」から、支援を凍結すると発表した。国際通貨基金(IMF)やドイツなども支援を一時停止。米国内のアフガン政府資産も大部分が凍結された。

 アフガンの主要産業は農業だが、旧ソ連の侵攻後、約40年にわたる戦乱で発展を阻害されてきた。汚職の影響もあり徴税システムは不完全だ。ロイター通信は「アフガン政府予算の7割から8割は国際支援で賄われている」という駐アフガン米大使経験者の話を伝えた。国際支援がなければ財政は立ち行かない。

 こうした中、米紙ウォールストリート・ジャーナルは、レアアースや金などの鉱物資源輸出と併せ、タリバンにとって麻薬産業が「(海外支援の)損失を部分的に相殺するのに十分」な規模だと報じた。

 アフガンはアヘンやヘロインの原料となるケシの一大産地で、昨年世界で流通したアヘンの8割超はアフガン産とされる。麻薬産業の収益は、アフガンの国内総生産(GDP)の7~11%に相当するという統計もあり、一部はタリバンの収入源になっていると指摘されてきた。タリバンのムジャヒド報道担当者は17日の記者会見で、麻薬産業の根絶を誓ったが、財政難を背景に方針を転換する可能性は否定できない。

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