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「ISは依然深刻な脅威」 米軍、イラクやシリアで掃討作戦

 米国防総省は、2年前に過激派組織「イスラム国」(IS)の「支配地を奪い殲滅した」と宣言した。しかし、各地でIS復活の兆候が強まり、米軍は空爆などによる殲滅作戦の強化を余儀なくされている。

 米軍は数カ月前から、イラクのISの拠点への空爆を繰り返している。バグダッド北部のサラディン州の拠点を3日に空爆したばかり。イラク国防省は二つの拠点を破壊し、少なくとも戦闘員2人を殺害したことを明らかにした。

 米軍は3月9日にイラクで大規模な空爆を開始、312回の空爆とイラク軍の地上からの支援で少なくとも27人を殺害した。また、IS掃討作戦有志連合は、シリアとイラクで、ISの活動に関する情報の提供を民間人に呼び掛けており、報道官のウェイン・マロット氏は先月、「78回の作戦を実施し、107回のテロを阻止した」ことを明らかにした。

 米当局者らは、シリア北部のホル難民キャンプでISが戦闘員を集めていることにも強い懸念を抱いている。キャンプには6万4000人が収容され、クルド人主体の「シリア民主軍(SDF)」が3月に実施した捜索で、ISの要員募集人らを拘束した。

 米シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ政策研究所(AEI)のキャサリン・ツィマーマン常任研究員は、ホル難民キャンプの生活環境は「劣悪」で、「いい生活を提示されれば、未来が見えない難民にとっては魅力的」だろうと指摘した。

 また専門家は、ISへの勝利宣言は早すぎたと指摘する。

 ツィマーマン氏は、「ISは壊滅していない」と主張、「軍事作戦は実施したものの、ISを台頭させた現地のさまざまな条件を排除するための政治的な対応はなされなかった。IS復活の条件は残されたままだ」と、対応のまずさを指摘する。

 ISの最後の拠点となっていたシリアのラッカは2017年に陥落した。しかし、国防総省は、イラクとシリアに8000人~1万6000人の戦闘員がいるとみている。一方の駐留米兵は、イラクに2500人、シリアに900人だ。

 国際IS掃討連合のジョン・ゴドフリー米特使代行は3月末の会見で、ISが依然として「重大な安全保障の脅威」であることを認めたうえで、中東だけにとどまらずその脅威は欧州、北米にまで及ぶ可能性があると警告した。

(ワシントン・タイムズ特約)

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