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空が見える仮庵の屋根ーイスラエルから

地球だより

 イスラエルでは、10月2日の日没からスコット(仮庵祭)が始まった。ユダヤ暦新年から続く年中行事は全て、コロナ禍による都市封鎖の下で行われている。

 スコットは、イスラエル民族が出エジプトした際に砂漠でスカ(仮庵)を建てて過ごしていた時をしのぶ祭りだ。公共の場所、各家庭の庭やベランダに仮庵が建てられる。ユダヤ人は1週間、さまざまな飾りを施した仮庵の中で食事をするのだ。正統派ユダヤ教徒はベッドまで持ち込み寝泊まりしている。

 友人のご両親は敬虔(けいけん)なユダヤ教徒だ。先日、仮庵の作り方を聞いた時、なるほどと思った。屋根はシュロの葉で覆うが、空が見えるように必ず隙間を開けなければならないそうだ。

 砂漠で粗末な仮庵の中から星を眺めて、はるかなカナンの地を夢見ていたユダヤ人の祖先たちを思い浮かべた。雨が降ったらどうするのかと、やぼなことを聞いてみると、それはそれで多少の雨漏りは当時の雰囲気が味わえて良いという。

 今年は特別なスコットになった。なんとアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ中心部に初めて仮庵が建てられたのだ。しかも世界一高い高層ビルの真ん前の広場に。

 そこにはユダヤ人コミュニティーがあり、一人だけラビ(ユダヤ教指導者)がいるという。ラビいわく、「この仮庵にはユダヤ人だけでなく、私たちを受け入れ迎えてくれたUAEの人も自由に入ることができる」。国交正常化による連帯感の象徴ともいえる仮庵となった。

(M)

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