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レバノン 爆発事故で内閣総辞職

怠慢、腐敗に批判 デモ収まらず

 レバノンのディアブ首相は10日、内閣総辞職を発表した。
アウン大統領はこれを承認し、ディアブ氏に対して新内閣発足までの間、暫定政権を率いるよう指示した。レバノンの国営通信(NNA)が同日、報じた。

ディアブ首相

10日、ベイルートで内閣総辞職を発表するレバノンのディアブ首相(AFP時事)

 首都ベイルートの港湾地区で4日に発生した大規模爆発を受け、政府の怠慢や腐敗に抗議するデモが激化し、閣僚の辞任が相次いでいた。爆発の原因究明が進まない中、総辞職の発表後も抗議デモは沈静化せず、情勢はさらに深刻化している。

 ディアブ氏は10日の国民に向けたテレビ演説で、「爆発の責任追及や真の変化を願う人々の要求を受け入れる」と述べた。また、「国家に巣くう腐敗構造の改革はできなかった」と述べた。ディアブ内閣は今年1月に発足したばかりだった。

 ディアブ氏は8日、早期の前倒し総選挙の方針を表明。9日にはアブドゥルサムド情報相やカッタール環境相が、「政府は改革に失敗した」として辞任を表明した。

 大規模爆発をめぐり、レバノン当局は原因究明のため港湾関係者ら約20人を拘束し、調査を続けている。しかし、イスラエル紙イディオト・アハロノト(電子版)によると、治安当局が7月20日の時点で大統領と首相に対して爆発の危険性を警告していたことが判明。政府指導部の怠慢が大惨事につながった可能性が浮上した。

 爆発した大量の硝酸アンモニウムは、港湾地区の倉庫に6年間放置されていた。デモ隊は、放置を許した政府の腐敗構造の改善を要求しており、改革を推し進めることができる後継内閣発足の見通しがつくまで抗議デモを継続する構えだ。

 爆発による死者は163人に達し、行方不明者が20人、負傷者は6000人を超えた。30万人が住む家を失っている。

 ベイルートでは連日、数千人規模の反政府デモが行われており、8日にはデモ隊が政府庁舎などを一時占拠するなど、治安部隊との衝突で700人以上が負傷、警官1人が死亡した。

(エルサレム 森田貴裕)

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