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慰安婦プロパガンダには国際法で反撃できる《後編》

■5.慰安婦問題への二つのアプローチ

 慰安婦問題には二つのアプローチがある。一つは、それが歴史的な史実ではなく、韓国および一部の反日日本人によるプロパガンダである、ということを立証していく、というアンチ・プロパガンダの戦いである。この点は、日本の外務省がはなはだ怠慢で、韓国側の一方的攻勢にさらされてきた。一部の民間有志が取り組んでいるが、政府レベルの努力がもっと必要だ。

 本年3月には、米国アトランタでの慰安婦像設置が不許可となり、この決定の背景には、アトランタの総領事館からの働きかけがあったと米メディアは伝えている。筆者がアメリカで、外務省の関係者に「アトランタはよくやった」と言ったら、返ってきた反応は、「韓国側を怒らせて、ちょっとやり過ぎた」というもので、唖然とした。

 韓国側は、日本側を平気で怒らせてプロパガンダを続けているのに、日本側の外交関係者が、こういう「紳士的態度」では対等の戦いにはなりえない。

 果たして篠塚隆・駐アトランタ日本総領事が米地方紙のインタビューで「慰安婦は金をもらった売春婦だった」と語ったというニュースが流れ、韓国外務省報道官が批判するという一幕が6月末にあった。篠塚総領事は「プロスティチュート(売春婦)という言葉は使っていない」との事で、これまたフェイク・ニュースのようだ。

 こういう反撃が「韓国側を怒らせて、やりすぎた」という事なのだろうが、紳士的な事なかれ主義では、国際謀略戦は戦えない。我が国もアンチ・プロパガンダ広報に努めて、世界中の慰安婦像が韓国のプロパガンダの象徴として嘲笑の的になり、韓国政府が自ら撤去したくなる位にやり込める姿勢が必要だ。

■6.「中国と韓国の行為は、国際社会のルール違反である」

 もう一つの戦いが、日韓合意に見られるような、条約や国際法の次元で戦っていく事で、特に中韓はこれらを無視した攻撃が多く、また日本国民の無知につけこんでいる。この点で、元外交官で、戦時国際法の第一人者・色摩力夫(しかま・りきお)氏の最新刊『日本の死活問題 国際法・国連・軍隊の真実』[3]が一般国民にも分かりやすく書かれていて、お勧めである。

 氏の名著『国際連合という神話』[4]は、弊誌223号「国際連合、3つの幻想」[a]でも参考にさせていただいた。国連は世界平和を目指す機関などではなく、その英語名称が”The United Nations”と、第2次大戦中の「連合国」と同じであることから、戦後体制を固定化するための機関である、という本質が明かされている。

 色摩氏の新著では、国連や憲法の問題と並んで、戦時国際法の視点から中韓の歴史認識問題を論じている。「平和の回復後も、『歴史認識』問題を振りかざす中国と韓国の行為は、国際社会のルール違反である」と指摘されているように、日本国民が国際法を理解することが、中韓の攻撃を跳ね返すアプローチなのである。

■7.「いっさいの請求権を一括して最終的に解決」

 慰安婦問題に関する国際法の立場からの色摩氏の指摘は、まことに簡明直截である。

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 第2次大戦の結果、韓国は日本から独立しましたが、その法的根拠が1965年の「日韓基本条約」です。・・・また、その際同時に締結した「日韓請求権協定」によって、両国およびその国民の間のいっさいの請求権を一括して最終的に解決したのです。したがって、その後は、韓国も日本に対していかなる賠償も請求できなくなっているはずなのです。[3, p36]
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 たとえば、韓国の元慰安婦が、日本に対して賠償請求できるというなら、終戦直後、身一つで半島から脱出してきた日本人は、半島に置いてきたすべての財産に関して韓国政府に請求ができる、ということになる。

 かつてライシャワー駐日大使は「日本は敗戦に際し、韓国に三十億-四十億ドルの財産を残してきた」と発言した。1ドル100円とすれば、3~4兆円の規模になる。それに対して韓国側が提出した資料を日本側で査定した所、総額7千万ドルにしかならなかった。[b]

 日韓両国はこういうやりとりを経て、双方で請求権を諦め、しかも日本が無償3億ドル、政府借款2億ドル、さらに民間借款3億ドル以上の経済協力で合意したものである。「日韓請求協定」によって韓国は日本に対していかなる賠償も請求できなくなっている。

■8.韓国の元慰安婦が賠償を求めるべき相手は韓国政府

 韓国政府はすでに請求権を失っているが、韓国の元慰安婦が日本政府に賠償を求める権利はあるのだろうか? 「日韓請求権協定」は韓国政府が署名したものだが、それは韓国という国家を代表して署名したもので、国民も含めた国全体を縛るものである。

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 つまり、韓国の元慰安婦が戦時賠償を求める相手は、日本ではなく、ほかならぬ韓国なのです。韓国政府はその責任を免れるわけにはいきません。このことには具体的な条約上の根拠があり、しかも国際法の一般原則から見てもまったく疑義はありません。[1, p37]
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 だから文大統領が「前政権での日本との慰安婦合意は韓国人、特に被害者(元慰安婦の女性)に受け入れられていない」と言ったら、日本政府は「そうですか。それでは貴政府の決定が貴国民に受け入れられるよう頑張ってください」と応えれば済んでしまう。

 もう一つ、「日本政府は真摯な謝罪を」という声も、国際法から見れば簡単に排除できる。そもそも「真摯な謝罪」をしたかどうか、などということは客観的に判断できることではないあし、条約の前提条件でもない。

 こんな事を認めたら、韓国は未来永劫、日本に「真摯な謝罪」を求め続けることができる。韓国の今までの大統領が毎回、日本に謝罪を求めてきたのが良い例である。それを国際法と条約に基づいて、はねつけないから、韓国大統領が替わるたびに日本との交渉カードに使うのである。

 我が国は韓国とはすでに「日韓請求権協定」を結び、相互の請求権はすべて消滅している。そういう国際法上の原則をしっかり主張しないから、ここまで慰安婦問題がこじれてしまった。今回の「日韓合意」も、国際法上は屋上屋を重ねたものだが、国際法の次元でこの問題に終止符を打とうとする努力である。

 だから、我々国民も、国際法・国際条約への理解を深めて、韓国側、および、それに同調する反日日本人への国際常識に基づいた反撃をしなければならない。なお、紙数が尽きたが、シナの「南京大虐殺」などの歴史攻撃も、まったく同じアプローチで反撃できる。詳細は色摩氏の著書[3]を読んでいただきたい。

《前編》


「国際派日本人養成講座」ブログより転載
http://blog.jog-net.jp/

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