ワシントン・タイムズ・ジャパン

暴露直前「朴槿恵は真相語れ」 北宣伝が左派を扇動

韓国・国政介入疑惑

2年前、崔氏一家資料準備か

 韓国の国政介入疑惑をめぐり朴槿恵大統領への退陣圧力が続く中、反政府デモを主導しているとみられる国内左派が北朝鮮メディアの影響を受けて動いているとの見方が浮上している。(編集委員・上田勇実)

19日、韓国ソウル中心部で開かれた大規模集会で、朴槿恵大統領の退陣を求める参加者(岸元玲七撮影)

19日、韓国ソウル中心部で開かれた大規模集会で、朴槿恵大統領の退陣を求める参加者(岸元玲七撮影)

 「『共に民主党』より力をもつ背後勢力が大韓民国を否定し、その勢力は憲政の分断・混乱を持続的に要求してきた左派市民団体ではないのか」

 17日、与党セヌリ党最高委員の一人、趙源震議員は執行部会議でこう述べた。これは最大野党、共に民主党の秋美愛代表が朴大統領との会談方針を急遽(きゅうきょ)撤回した背景に左派市民団体の圧力があったとする趣旨だが、専門家らは週末ごとに行われている政権退陣デモもまた左派市民団体が深く関与していると指摘する。そして、さらにその背後で彼らを扇動しているのが北朝鮮だという。

 北朝鮮の対韓国政策窓口機関である祖国平和統一委員会(以下、祖平統)が運営するインターネット媒体「ウリ(われわれ)民族同士」は、韓国メディアの報道を引用する形で国政介入疑惑の中心人物で朴大統領の友人、崔順実容疑者の名前を挙げ政権批判を繰り返した。

 批判が熱を帯び始めたのは、中央日報系ケーブルテレビJTBCが朴大統領と崔容疑者の関係を裏付ける決定的物証となった崔氏所有のタブレットを入手したと暴露した10月24日の約1カ月前から。暴露前日の23日には「南朝鮮(韓国)ホームページは、朴槿恵は今からでも崔順実に対する厳正な検察捜査を進め、真相を国民の前に明らかにすべきだと強調した」と紹介した。

 北朝鮮の対韓国工作に詳しい元警察庁幹部はこう指摘する。

 「韓国ではオンライン上の北朝鮮の対南扇動の閲覧は法律で禁止されているが、北朝鮮を“信奉”する韓国内の親北勢力や在野団体は違法にこれらにアクセスし、そのスローガンや主張をそのまま国内に拡散させ、自分たちの闘争に使っている」

 北朝鮮は今回の国政介入疑惑をこれまで自分たちに強硬だった朴政権を倒す好機とみなし、韓国にサイバー心理戦を仕掛けている可能性がある。

 韓国左派が最も影響を受ける北朝鮮の宣伝サイトは「ウリ民族同士」だといわれる。そして運営元の祖平統は今年6月、最高人民会議で国家機関に格上げされた。最高指導者・金正恩委員長が「北朝鮮式の祖国統一を重要視するという意味」(元警察庁幹部)だという。

 約2年前、崔順実容疑者の元夫である鄭ユンフェ氏が青瓦台(大統領府)高官を巻き込んで国政に介入していた疑惑が浮上した際、韓国証券街に出回っていたチラシが話題になったことがある。

 関係者によると、そのチラシには鄭氏以外にも崔容疑者やその父親である崔太敏氏(1994年没)など崔氏一家の名前が連なり、「末尾には〇〇戦線」と記されていたという。「救国戦線」などの名前で知られる北朝鮮の対韓国宣伝サイトに触発された韓国左派が、当時すでに朴政権の急所を突くための攻撃材料として準備していた資料だった――。そんな推測さえ可能にさせるシロモノである。

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