ワシントン・タイムズ・ジャパン

崔順実で“爆風消火”された文在寅疑惑

 次期韓国大統領選の野党候補の一人である「共に民主党」の文在寅元代表が盧武鉉政権時の2007年、北朝鮮に対する国連人権決議案の表決で、事前に北朝鮮に“お伺い”を立て、結果、韓国政府は棄権していた疑いが浮上していたが、“崔順実ゲート”の炸裂で同問題は雲散霧消してしまった。まるで、火事を消すために爆破する「爆風消火」が行われたかのようだ。

 これは盧武鉉政権で外相を務めた宋旻淳氏(北韓大学院大学総長)が出した回顧録『氷河は動く』の中で“暴露”したもの。当時、文氏は大統領府ナンバー2の大統領秘書室長をしていた。人権決議案について「南北間のルートを通じ北朝鮮の意向を確認する」「棄権の方向で大統領に建議する」と語っていたのだという。

 北朝鮮は当然、「決議には責任ある態度をとれ」「南側の態度を注視している」と脅迫めいた“指示”を出し、それを受けて盧武鉉政権は棄権を決めたという経緯を宋元外相は明らかにしたのだ。

 韓国大統領になろうという者が北朝鮮に“お伺い”を立てていた、ということで、韓国では文在寅氏に対し、「そもそも大統領としての資質があるのか」と問題視する声が政界やメディアで上がり、与党からは政界引退要求まで出て、問題が広がっていた。

 これに対して、文氏側は「レッテル張り」と反発したが、李炳浩国家情報院長が国会情報委員会の国政監査の場で「(回顧録に書かれていることは)ほぼ事実と感じた」と述べ、文氏は窮まっていた。

 そんな状況で崔順実国政壟断事件が明らかになった。国中がハチの巣でも突いたような騒ぎとなり、メディアもこれ一色に。強烈な爆破の熱風で文在寅氏の疑惑など瞬時に蒸発してしまったかのようである。

 そうなると、都合よく、廃棄したはずのタブレットが発見されたり、次から次へと“疑惑”が暴露されるのをみて、“文在寅問題隠し”のために崔順実疑惑をぶつけたのではないかと疑う向きも出てきている。保守派の論客で元月刊朝鮮編集長の趙甲済氏は、「誰が得をするのか」として、最終受益者となる文在寅氏や、さらにその奥に控えている北朝鮮を利するのではないかとまで指摘している。

 もし、北朝鮮やその指令を受けた従北勢力が崔順実疑惑を持ち出し、大規模なデモを唆し、国政麻痺を招いているとしたら、まるでスパイ映画のような展開である。もっとも韓国・北朝鮮では、それがドラマだけに止まらないのが現実でもあるのだが…。

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