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【韓国紙】国家危機克服のビジョン見えぬ李・尹両候補の公約

韓国紙セゲイルボ「社説」

2野党が統一候補を出すとすれば、相応しいのは尹錫悦氏よりも安哲秀氏(左)との結果(共同取材)

2野党が統一候補を出すとすれば、相応しいのは尹錫悦氏よりも安哲秀氏(左)との結果(共同取材)

 「共に民主党」李在明、「国民の力」尹錫悦、この二大政党の大統領候補が軽薄な票狙いの計算によるポピュリズム的な公約を乱発し、それさえもしばしば言葉を変える右往左往の様相を見せて顰蹙(ひんしゅく)を買っている。李候補は1人当たり最小50万ウォンずつ、全国民に支援金を与えるという公約を出し、2日後には保留した。

 2カ月の間に「支援→撤回→再推進→保留」と二転三転した。「不動産不労所得100%還収論」についても、右往左往している。李候補は昨年10月にも飲食店総量制、週4日勤務制などを打ち出したが、論議が沸騰すると、「アイデア次元だった」として玉虫色でお茶を濁した。

 3カ月前「女性家族部(省)を両性平等家族部に改編する」と表明した尹候補は突然、女家部廃止を宣言した。李俊錫党代表との対立で離れた20代、30代の男性投票者の票を攻略するための布石だが、「ジェンダー対立」を煽(あお)っているとの批判が殺到した。代表的なフェミニストの申智芸氏を迎え入れた尹候補はオンラインゲームの本人認証手続きの改善と「兵士の俸給月200万ウォン」を約束するなど「20代男性」狙いの公約を連発している。国民の力が反対してきた公共機関の労働理事制も突然受け入れを表明した。

 二大政党の候補がこのように公約を簡単に覆すことができるというのが驚きであり心配だ。ポピュリズム・二転三転の公約を出すのに汲々(きゅうきゅう)とする二大候補は最近、安哲秀「国民の党」大統領候補の支持率がなぜ急上昇しているかをよく調べなければならない。安候補は7日に発表された韓国ギャラップの世論調査で支持率が15%に達した。好感度調査でも38%で最高だった。安候補の支持率上昇は反射効果の性質が強く、今後3人の支持率は上下動を繰り返すだろうが、それでも2候補にとって示唆するところが少なくない。

 二大政党候補とは違い“家族リスク”がない安候補は李、尹候補が忌避する年金改革・労働改革に所信をもって対している。選挙に不利に作用するはずなのに「さらに遅滞すれば国家共同体崩壊を呼ぶ」として四大公的年金の統合を主張した。また「文在寅政府は10%の既得権労働者だけを保護した」として、雇用の柔軟性を強調している。各種の支持者向けばらまき政策、数十兆ウォンの公約を平然と出した2強候補とは明らかな違いがある。

 国民が要求するのは財源対策も不明な50兆、100兆ウォンのポピュリズム公約ではない。国家の危機を克服するために必要な具体的で実現可能な政策・ビジョンだ。

(1月10日付)

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