ワシントン・タイムズ・ジャパン

オミクロン変異株が拡散 防疫対策強化ためらうな

韓国紙セゲイルボ「社説」

オミクロン拡散の懸念が高まっている仁川国際空港で外国人が入国している(ニュース1/セゲイルボより)

オミクロン拡散の懸念が高まっている仁川国際空港で外国人が入国している(ニュース1/セゲイルボより)

 29日零時時点の新型コロナウイルス新規感染者が3309人に達した。休日とはいえ日曜日では最多だ。重症患者は629人で、25日以後5日連続600人台を記録した。全国の集中治療室の病床稼働率も75%を超えた。伝染力や危険度がベールに包まれたオミクロン変異株の拡散で、韓国をはじめ世界各国が相次いで入国禁止措置を取っているが、国際金融市場まで動揺するほど、その影響は手のほどこしようもなく広がっている。

 中央防疫対策本部は29日、先週の新型コロナ流行の危険度を全国単位で「非常に高い」に上方修正した。文在寅大統領は特別防疫点検会議を開き「(来月中旬に予定された)段階的日常回復の第2段階への転換を留保し、4週間の特別防疫対策を施行する」と表明した。対策の核心はワクチンだ。「すべての国民がワクチンを3回接種するまで接種は完了しない」と強調し、既存の段階的日常回復の第1段階は維持した。

 追加(ブースター)接種を促すために防疫パスの有効期間を6カ月に限定し、特定国発の外国人の入国を規制することだけで、感染拡大を抑えることができるかは未知数だ。ややもすると防疫のゴールデンタイムを逃す恐れが大きい。

 アンソニー・ファウチ米国立アレルギー感染症研究所所長は「入国禁止は時間稼ぎにすぎない」と語った。外部流入の遮断と追加接種が重要だが、それは臨時方便にすぎない。非常計画発動時の政策手段である防疫パスの拡大、病床の緊急確保なども限界が明らかだ。オミクロン変異株でなくても、国内の感染拡大を減らすためには社会的移動を減らすほかに手立てはない。

 生半可な政策が防疫に混乱をもたらしたのではないか、チェックが必要だ。保健福祉部(厚生労働省に相当)は11月26日、防疫対策を発表しようとしたが、一方的に取り消した。中小企業・自営業者などの反発を考慮した経済部処(省庁)の反対で意見がまとまらなかったという。こうした省庁間の足並みの乱れは繰り返されてはならない。

 「医療崩壊」まで論じる専門家たちの警告を軽く聞き流してはならない。私的会合の制限強化、営業時間の短縮など「ソーシャルディスタンス」の再導入を通じて、強力な防疫シグナルを送らなければならない。景気萎縮の憂慮、国民の受容度低下などを理由に躊躇(ちゅうちょ)している余裕はない。食堂、カフェでの私的会合を縮小するかどうかを追加議論を経て決める程、暇な状況ではない。防疫なくしては経済もない。政務的な判断に固執していては日常回復の第2段階どころか、以前に戻るかもしれない。国民の苦痛を伴っても日常回復をしばらく停止する特段の対策が急がれる。過去のワクチン供給の混乱を教訓として、ワクチン外交にも隙があってはならない。

(11月30日付)。

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