ワシントン・タイムズ・ジャパン

韓国警察庁長の竹島上陸から見える現在の日韓外交関係

 いったい韓国は、日本との関係を修復したいのか壊したいのか、どっちなのでしょうか。現在、韓国側から「韓日議連」所属議員が日本にやって来ていますが、同じタイミングで韓国の警察庁長が島根県竹島に不法上陸したのだそうです。ただ、それ以上に不思議なのは、日本が韓国側の「誰に」抗議したのかが、いまひとつ見えてこないことです。じつは、このこと自体、現在の日韓関係を象徴しているのではないでしょうか。


 今朝の『韓日議連来訪で見る日韓関係のさらなるダウングレード』でも取り上げたとおり、現在、韓国から「韓日議連」所属議員が日本にやって来ているものの、日本側では岸田文雄首相、林芳正外相らとの面談は現時点では予定されていないようです。

 このあたり、昨年11月にも韓日議連関係者が来日した際、菅義偉総理大臣を表敬訪問したこととは対照的です。

 というよりも、昨年にしろ今年にしろ、韓国側からやってくる議員らは、「とりあえず『強制徴用問題』(※自称元徴用工問題のこと)については縫合し、まずは交流協力を回復しよう」などと都合がよいことを言い出すわけです。

 ただ、こうした韓国側が日本との関係を「縫合」したがっているのか、壊したがっているのか、ときどき理解できなくなります。その典型例が、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に今朝掲載されていた、こんな記事ではないでしょうか。

日本政府、韓国警察庁長の独島訪問に「受け入れられない…厳重抗議」


―――2021.11.17 06:44付 中央日報日本語版より

 中央日報の報道によれば、16日、韓国の金昌龍(きん・しょうりゅう)警察庁長が島根県竹島に不法上陸しました。

 韓国側の警察庁は、今回の竹島不法上陸に関し、「外交的意味はまったくない」「島嶼僻地に勤める職員を激励するための訪問」などと述べたのだそうですが、そもそも竹島を韓国が不法占拠中であるという事実を踏まえるならば、こうした言い訳など意味を成しません。

 こうしたなか、松野博一官房長官は午後の定例記者会見で、「日本政府が強く抗議した」とのべたほか、林外相も記者団に対し、金昌龍氏の竹島上陸を「とうてい受け入れられず、極めて遺憾だ」と述べ、韓国政府に再度、厳重に抗議したなどと述べたそうです。

 ただ、ここで気になるのは、「誰に」抗議したのか、という点です。

 中央日報などの記事を読んでも、ちょうど日本を訪問中の韓日議連関係者に日本政府高官らが抗議した、といった話は掲載されていませんし、姜昌一(きょう・しょういち)駐日韓国大使を外務省に呼んで抗議したという話も聞きません。

 日本政府は口先では「北朝鮮問題などを巡って、日米韓3ヵ国協力が大切だ」、などと言い募っていますが、現実に日本政府は日韓首脳会談などに応じていませんし、また、ハイレベル防衛交流なども滞っているというのが現状でもあります。

 こうした状況がいつまで続くのかはわかりませんが、少なくとも現在の日韓関係は、少なくとも通常の国同士としての外交チャネルがまともに機能していない可能性には注意が必要といえるのかもしれない、と思う次第です


「新宿会計士の政治経済評論」より転載
https://shinjukuacc.com/20211117-03/

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