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韓国紙「雰囲気変えた日本公使発言」

韓国紙セゲイルボ

文大統領、東京五輪開会式出席見送り

 東京五輪(開会式)出席を韓日関係復元の契機にするという文在寅(ムンジェイン)大統領の訪日構想がついに消え去った。大統領府は開会式4日前の19日、交渉決裂を公式発表して大統領の五輪不参加を確定した。

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韓国の文在寅大統領6月14日、ウィーン(AFP時事)

 大統領府の朴洙賢(パクスヒョン)国民疎通首席秘書官は同日午後、「東京五輪を契機とした訪日を行わないことを決めた」として、「双方間の協議は友好的な雰囲気で進められ、相当な理解の歩み寄りはあったが、首脳会談の成果とするには依然不十分で、その他の諸般の状況を総合的に考慮して決定した」と表明した。

 大統領府の高官は書面で、「究極的な目標は関係復元」で、「全般的に少しずつ進展はあった」としたが、具体的な協議の決裂理由については、「協議方法、交渉主体など具体的な事案は公開し難い」と言葉を控えた。

 ただし相馬弘尚駐韓総括公使の“不適切発言”が訪日見送りに影響を及ぼしたのかについては、「容認し難い発言だった」と批判し、「その後、大統領府内部の雰囲気も懐疑的に変化した」と伝えた。

 加藤勝信官房長官が相馬公使の発言に「遺憾」を表明したことに対しては、「日本政府が今回の事案の深刻さを認識し、駐韓日本大使の非常に遺憾だとの公式表明に続き、今日午前、日本政府レベルで官房長官が記者会見を通じて、非常に遺憾だと発表したことに注目する」とする一方で、「適切な後続措置」と「再発防止」を求めた。

 大統領府は文在寅大統領の東京五輪出席を契機に韓日首脳会談の開催を打診してきた。日本の輸出規制措置の解除など首脳会談の成果を担保するため水面下の交渉を繰り広げたが、日本が最後まで背を向け最終決裂した。

 水面下交渉の終盤に飛び出した相馬公使の妄言にも、日本が原論的な遺憾表明の他に更迭措置に消極的な態度を維持したことが、交渉決裂宣言に決定的要因として作用したと分析される。

 一方、大統領府高官は今後、韓日首脳会談推進の可能性や別途の対話計画について、「韓日関係の未来志向的な発展のため現政府の任期末まで引き続き日本と対話努力をしていきたい」とし、「韓日首脳間で会う機会があることを願う」としつつ、「今回が良い機会だと期待したが、残念さが大きい」と付け加えた。

 文大統領の訪日が流れた場合、代理出席が取り沙汰された金富謙(キムブギョム)首相も東京五輪に出席しないことになり、政府代表としては黄熙(ファンヒ)文化体育観光部長官(閣僚)が出席する。

(キム・ギョンホ記者、7月20日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。

ポイント解説

「易地思之」でそっとしておく

 韓国では「易地思之」(相手の立場で考える)という。自分がそうするのでなく、相手にそうしろと求める時に主に使う。なので、日本が求める請求権協定体制への復帰については答えず、「とにかく会おう」という一方的な韓国の要望を日本は考慮せよ、というのがこの際、正しい読解だ。

 五輪開会式を政治的駆け引きの道具にしたことは文在寅大統領の悪手である。もともと成果が期待できない訪日には「行って手ぶらで帰っては恥をかく」として、韓国内からも懐疑的な意見が出ていた。それなのに、最後まで“独り相撲”で騒いでおいて、見送ったのは日本のせいだと捨て台詞を吐く。

 日本はコロナ禍の中、政府も国民も多大な犠牲を払って前代未聞の五輪大会を開く。そんな時に解けない難問を持ち込むことがどういうことか、ぜひ本来の「易地思之」で考えていただきたい。

 菅政権はもともと文政権を相手に日韓関係を処理する気がない。文大統領に持たせる土産も用意できない。双方ともに益のない会合をする理由もない。そこへ駐韓公使が“不適切発言”を非公式の場で放った。韓国政府が激怒するには十分な「非礼」だ。

 こうしたタイミングを見ると、逆に日本政府は韓国側に断る口実を与え、韓国は「渡りに船」とばかりに、それをうまく利用したようにも見えてくる。そして、後日「遺憾」表明だけでなく、公使の“移動”が検討され出した。韓国はこれで国内的には顔が立つ。これで不適切発言は落着する。

 これから日韓は共に“選挙の季節”に突入する。日韓関係の復元の動きは韓国の外交元老たちが言うように、来年5月、新大統領就任の後までないだろう。従ってそれまでは「そっとしておく」のが賢明だ。

(岩崎 哲)

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