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日本が何を問題としているかを理解しない韓国メディア

 日本社会において「法律や約束」を守ることは当然とみなされる行為です。法律や約束を平気で破る人たちは、日本社会ではなかなか苦しい立場に追い込まれるのではないかと思います。ただ、こうした日本(や欧米先進国)の常識が、世界すべての国に当てはまるとは限りません。そして、隣国に関していえば、約束破り、ウソツキなどの態度が問題だということだけでなく、そのことを理解していないことも、また絶望を感じるゆえんでもあるのです。


どうして法律や約束を守るのか

 当ウェブサイトでは普段から、「法律や約束を守ることは必要だ」、と申し上げています。

 この点、日本経済に現在進行形で打撃を与えまくっている消費税法、自由経済競争原理に背く利権団体であるNHKとの受信契約をテレビ設置者に義務付けた放送法第64条第1項など、日本には「悪法」は数多くあります。

 しかし、それでも「法治国家」たる日本国の構成員である以上、私たち日本国民は、基本的にすべての法律を守らなければなりませんし、気に入らない法律があれば、その法律を変えてくれるような人物を、選挙で国会議員に選び出さなければなりません。

 つまり、日本では社会を変えていくためには、大変な手間と時間がかかるわけです。

 ただし、そのかわり、私たち日本国民はいかなる立場にあっても、政府、政権、政治家らを批判する自由を持っていますし、また、メディアが情報伝達という役割を果たさないのであれば、メディア自体を批判することも、メディアをすっ飛ばして個人レベルで情報発信することも自由です。

 これが法治国家であり、自由・民主主義国の本筋でしょう。

 (※余談ですが、財務省やNHKに対してはその「あり方」自体を含めて批判することも自由だと考えており、財務省改革、NHK改革の必要性については、当ウェブサイトとしても今後も続けさせていただくつもりです。)

社会構成員の相互信頼を担保するのが法律や約束の遵守

 ただし、本稿で改めて指摘しておきたいのは、「法律を守ること」や「約束を守ること」は、人間社会の基本である、という点です。もっとわかりやすいことばで言えば、「ウソをつかない」、「ルールを守る」、「勉強する」、「できる範囲で他人を助ける」、といった行動は、社会人としての基本であるとすら思います。

 なぜ約束やルールを守ることが必要なのでしょうか。

 その理由は、みんながウソをつく社会になってしまうと、「信用」を前提にした社会が崩壊してしまうからです。

 たとえば、「貸して」、「良いよ」は保育園や幼稚園で最初に教えられる言葉のひとつですが、ここでは公園で友達同士がおもちゃを貸し借りすることを考えてみましょう。

 ダイチくんがリカちゃんのおもちゃを借りて、そのまま返さない、ということが続けば、そのうちリカちゃんはダイチくんにおもちゃを貸さなくなるでしょう。ダイチくんだけじゃなく、ハルトくんやハナコちゃんも、借りたおもちゃを返さなくなれば、そのうち友達同士でのおもちゃのやり取りはなくなるでしょう。

 だからこそ、「貸して」、「良いよ」は人間関係の基本形であり、「借りたおもちゃは返す」、という約束については、必ず守らなければなりません。

 あるいは、公園でブランコをやる際、たくさんの子が並んでいたら、順番に並ぶのは当たり前のことです。みんなが好き勝手にブランコを奪い合っていたら、泣く子も出てくるかもしれませんし、喧嘩する子も出てくるかもしれません。

 こんなこと、小学生でもわかる話です。

 もう少し難しいことばでいえば、「ルールベースの社会は社会構成員相互間の信頼を前提として成り立っており、社会構成員相互間での財貨・サービスのやり取りに伴う信用コストを大きく引き下げる」、という言い方をしても良いでしょう。

 「法律や約束の遵守は社会構成員の相互信頼を担保する手段である」、と申し上げた方が正確でしょうか。つまり、法律や約束を守る社会の方が発展しやすいよ、という話です。

 そして、これは公園で遊ぶ児童同士であろうが、自由主義社会におけるビジネスマン同士であろうが、まったく同じことが言えます。いや、もっといえば、人間付き合いをさらに発展させた、「会社対会社」、「国家太国家」でも、まったく同じことが成立するのではないでしょうか。

 当ウェブサイトのウェブ主自身も、長年、某企業で勤務し、自分自身が起業し、信頼を作ることの大変さを日々痛感しています。

 また、仕事をしていると、ごくたまに、平気で約束を破る人に出くわすこともありますし、そのような人とは基本的には二度とおつき合いすることはありません。ビジネスマン同士であれば、これも当たり前の話でしょう。

日韓関係の落としどころはたった3つ

 さて、長々と当たり前のことを述べたのには、理由があります。
 それは、私たちの国・日本、あるいは欧米などの先進国社会では当たり前の、「約束を守る」「法を守る」ということの重みを、根本からまったく理解していないと思わざるを得ない国が、日本のすぐ近くに、少なくとも4ヵ国は存在していることに対し、心の底からウンザリしているからです。

 なかでも韓国は、深刻です。

 明らかな無法国家である北朝鮮、中国、ロシアなどと異なり、韓国は一見すると、私たち日本と同じ「自由・民主主義国」で、かつ法治国家の体を装っているからです。

 しかし、2018年10月の自称元徴用工判決、今年1月の主権免除違反判決でもわかるとおり、韓国は国際法に違反する判決を平気で下し、しかもその国際法違反状態をただそうとしない国でもあるのです。

 あるいは、2018年12月に生じた火器管制レーダー照射事件がその典型例ですが、なにか国際問題を発生させたときに、それを正面から解決するでもなく、話し合いに応じるでもなく、「むしろ日本が低空威嚇飛行を仕掛けてきた」など、見え透いたウソで相手を批判するのに終始したことは、衝撃的でした。

 普段、当ウェブサイトで述べている「基本的価値」ないし「普遍的価値」、つまり「自由主義」、「民主主義」、「法治主義」(あるいは)「法の支配」といった概念もさることながら、「ウソをつかない」、「ルールを守る」、といった、子供にでもわかる行動原理を、日韓は共有していないのです。

 結局のところ、日韓関係は、次のどれかしか、落としどころがない、というわけです。

①日本が韓国に合わせ、韓国のウソツキや約束破りを許容する。
②韓国が日本に合わせ、ウソをついたり、約束を破ったりしない。③日本は日本、韓国は韓国のままで、お互い譲らず、関係が破綻する。

韓国メディアの問題は「何が問題かわかっていない」こと

 どうしてここまで申し上げなければならないのかといえば、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に昨日掲載された、次の記事を読んで、改めて日韓関係に絶望を感じたからです。

 この記事は、昨日の『「東京五輪で文在寅氏の来日を調整中」、官房長官否定』でも触れた、「文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領が7月の東京五輪にあわせて来日する」という観測報道に関する、韓国メディアの「続報」です。

 いや、ただの「続報」というよりはむしろ、「中央日報という韓国社会を代表する大手メディアのひとつが、現在の日韓関係をどうとらえているか」、という意味で、大変参考になる記事だ、と述べた方が正確でしょう。

 中央日報の記事の前提は、そもそも「文在寅氏が2018年の平昌(へいしょう)冬季五輪に安倍晋三総理が参加したことの返礼として、7月23日の東京五輪開会式に参加するために訪日したい」とする趣旨の、読売新聞の報道です。

 これについて中央日報は、こう述べます。

「日本メディアが文在寅(ムン・ジェイン)大統領の東京五輪出席シナリオをしきりに伝えている。韓日関係改善の突破口がなかなか見られない中で五輪がそれなりに現実的な関係改善の機会にできるという期待もあるが、ハードルも少なくない」。

のっけから、これです。

 「韓日関係改善の突破口がなかなか見られない」、などとサラッと言ってのけるあたりに、中央日報としての現状認識能力のなさをリアルに感じ取ってしまうのです。

 くどいようですが、自称元徴用工、自称元慰安婦の2つの歴史問題を中核に、さまざまな国際法違反、外交非礼、不法行為などを積み重ねることで、「信頼」を前提とした日韓関係をいままさに壊そうとしているのが韓国という国です。

 「日韓関係改善の突破口」とやらは、韓国が自分で見つけるべき筋合いのものであり、それを日本に求めようとする時点で、中央日報の記者は現状を理解していないと言わざるを得ません。

 とりわけ噴飯物なのは、次の記述でしょう。

 「実際に五輪を両国関係改善の好材料にできるという観測もある。(中略)『韓国が先に徴用工と慰安婦被害問題に対する解決策を持ってきてこそ首脳会談ができる』としてきた日本もやはり例外的な状況として受け入れる余地が生まれる。日本メディアでたびたび文大統領の訪日が取り上げられるのも、原則的可能性は開いている上に韓国が差し出す手を日本が拒む構図が繰り返されることが結局日本に不利に作用しかねないという現実的な認識も作用したとみられる」。

 まるで、「『韓国が先に(自称元)徴用工や(自称元)慰安婦問題に対する解決策を持ってこないと会談に応じない』というスタンスを取っていること自体、いわば、日本自身の負担にもなっている」、とでも言いたいのでしょうか。

 もしこのコラムの執筆者が本気でそう考えているのならば、それこそ公園でのおもちゃの貸し借りからやり直した方が良いです。

 くどいようですが、現在の日本が韓国に「約束を守れ」「国際法を守れ」と要求している理由は、「国としての意地ないし名誉をかけている」からではありません。それを破られると、法治国家としての基本が破壊されてしまうからです。

 また、もっときつい言い方をするならば、日本としては必ずしも日韓関係の「改善」でメリットが生じる立場とは限りません。もちろん、隣国との関係は悪いより良い方が良いのですが、あらゆるコストを支払ってでも維持しなければならないという必然性があるのかといわれれば、そこは疑問です。

 産業面におけるサプライチェーン、安全保障面における日米韓3ヵ国連携など、たしかに現在の日本にとって、韓国はある意味では大事ではあるものの、「日韓断交」という事態が生じたとしても、それにより日本が死活的に困ってしまう、というわけではありません(打撃はゼロではありませんが)。

【予告】自称元徴用工、自称元慰安婦でまた波乱か?

 さて、自称元徴用工問題や自称元慰安婦問題でも、いくつかの「進展」があるようです。

 先週、自称元徴用工ら85人が日本企業16社を相手取って損害賠償を請求した訴訟で、一審のソウル中央地裁は原告側の請求を却下しました(『徴用工判決「却下」を対日配慮と見るべきではない理由』等参照)。

 しかし、これについてはさっそく、14日付でこんな記事がありました。

韓国強制労役被害者、日本企業相手の損害賠償訴訟却下で控訴


―――2021.06.14 16:01付 中央日報日本語版より

 この自称元徴用工の事例だけではありません。

 昨日はこんな記事もありました。

 これは、自称元慰安婦らが日本政府を相手取った損害賠償訴訟で、今年1月8日に原告が勝訴した判決に関し、日本政府に対し韓国国内の財産目録を提出するよう要求する文書が韓国の裁判所から贈られた、とするものです。

 いずれの記事も、正直、まったく予想していたとおりの展開です。

 これらについてはもう少し詳しく触れたいと思う反面、2018年10月と11月の自称元徴用工判決、こつぉひ1月の主権免除違反判決から少し時間が経過してしまったので、この際、事実関係を整理したうえで、別稿にて議論してみたいと思う次第です。


「新宿会計士の政治経済評論」より転載
https://shinjukuacc.com/20210616-01/

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