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北朝鮮・イランに兵器供給 中国、代理組織で隠蔽

ビル・ガーツ氏

ビル・ガーツ氏
米紙ワシントン・タイムズ(WT)の国防担当記者として、これまでにスクープ記事を多数執筆。2019年11月まで米保守系ニュースサイト、ワシントン・フリー・ビーコンの上級エディター。著書に『Deceiving the Sky(空を欺く)-地球的覇権狙う共産中国、活動の内幕』(Encounter Books)、『誰がテポドン開発を許したか』(文藝春秋社刊)など

 中国が依然、核技術、ミサイルを北朝鮮、イランなどに輸出していることが米議会調査局(CRS)の報告から明らかになった。報告によると、中国政府は、核兵器の拡散、完成したミサイルシステムの売却に直接、関与することをやめ、仲介者を経ることで、関与を隠そうとしているようだ。

 CRSは「中国政府は、核・ミサイル関連物資の売却に直接関わるのはやめたようだが、中国を拠点とする企業、個人が輸出を継続している。特にイランと北朝鮮がその行き先だ」と取引の隠蔽(いんぺい)が組織的に行われている実態を明らかにしている。

 中国は、核兵器の拡散への関与を否定、国際的な武器管理・核拡散防止体制を支持していると主張している。

 CRSの報告によると、中国企業が2018年にミサイル関連技術輸出規制(MTCR)によって輸出が制限されているミサイル関連物資をイラン、北朝鮮、シリア、パキスタンに供給した。

 米政府が、輸出の停止を求めたが、中国政府は無視したという。米国は長期間にわたって中国の兵器拡散に対し制裁を科しているが、効果を挙げていない。

 米政府は昨年11月にも、「イランのミサイル開発計画に重要な技術と物資」を移転したとして中国の二つの組織に制裁を科している。

 また、17年には、北朝鮮に石炭を売却した資金で、北朝鮮向けの核兵器、ミサイルの部品を調達したとして中国の石炭会社に制裁を科した。

 米国務省の兵器専門家だったバン・バンディーペン氏は報告の中で、中国政府は、不法な武器拡散に関わらなくなっているが、武器の拡散を止めようとはしていないと指摘している。

 また中国は資金洗浄にも関わっている。違法な金融サービスを提供し、「主に中国内の代理組織のネットワークが、北朝鮮の金融機関の代わりに活動している」という。

 報告は「代理組織は、連携し、フロント企業、ダミー会社を設立し、秘密口座で違法な資金を動かし、偽装し、制裁を回避している。北朝鮮(の大量破壊兵器)と弾道ミサイル開発計画の拡散に資金を供給している」と指摘した。

 アレックス・ウォン元国務副次官補(北朝鮮担当)によると、中国は「国連安保理決議に反し」、大量破壊兵器とミサイルの入手と資金調達のため20以上の北朝鮮の代理人、代理組織を受け入れているという。

 また、報告によると、サウジアラビアのウラン製造のためとみられる施設の建設を支援。パキスタンでは、原子力供給国グループ(NSG)との合意に反して、民生用の原子炉を4基建設、2基が建設中という。

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