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天を衝くLHへの怒り

韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

 燕巌朴趾源(パクジオン)(朝鮮後期の実学者、燕巌は号)は朝鮮最高の風刺家だった。燕巌が書いた『穢徳先生伝』には、(肥料として使われる)人糞の運搬人である厳行首(行首は商人の頭)が主人公として登場する。村で人糞を集める彼は(在野)儒学者の蝉橘子と親しくしていた。穢徳先生というのは、蝉橘子が付けた厳行首の呼び名だ。見ていられなくなった蝉橘子の弟子が「どうして人糞を集める人間なんかと付き合うのか」と抗弁すると、先生が答えた。「彼が行う仕事は不潔だが生活の仕方は香しく、身がおかれている所は汚いが義理は極めて高いので、友とするにはもったいないから師としてあがめるのだ」。人は身分や職業ではなく、行いで判断しなければならないという警告だった。

 同書の蝉橘子は燕巌の親友である李徳懋(イドンム)の別称だ。ソウルの南山で暮らした李徳懋は食うや食わずの生活をしていた。家が小さすぎて蝉の抜け殻やミカンの皮のようだという意味で蝉橘という名を付けたという。彼はこのような問い掛けで蝉橘の意味を明らかにしている。「蝉の抜け殻は干からび、ミカンがしぼんで皮ばかりが残っているのに、どこに鳴き声や香りや味があるだろうか」。

 近頃の韓国土地住宅公社(LH)の土地投機事件はギラギラした外見だけを重視する世相の結果物だ。LHに向けられた国民の怒りは天を衝いている。横並びのLHとハングルのネ(私)の形が類似した点に目を付けた風刺とパロディーも噴出している。政権層の不条理を批判した「ナロナムブル」(私がすればロマンス、ナム=他人がすれば不倫)は「LHロナムブル」という新造語に様変わりした。「LHがすれば老後準備、他人がすれば不法」の意味だという。政経癒着を扱った映画『内部者たち(インサイダーズ)』は「LH富者たち」に変わり、児童図書の書名『タ・ネッコヤ』(全部私のもの)は、「タLHッコヤ」(全部LHのもの)に化けた。LHを風刺した職業ランキング表も登場。LH職員は裁判官とともに1ランクに登場、2ランクは「兄弟がLH職員の人」、3ランクは「親がLH職員の人」だというのだ。

 土地投機の過ちをLHだけのせいにするのではない。彼らも政権層の投機の神業をまねただけだ。大統領夫人の弟はLHから土地補償金58億ウォンを受け取り、与党議員たちは最上級の開発地ばかりを選んで投機した。彼らの悪臭は穢徳先生の臭いよりもひどい。

 (3月15日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。

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