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バイデン・スタイルと対北接近法、韓国政府は早期に交流強化を

韓国紙セゲイルボ

 米国でバイデン新政権が発足した。バイデン大統領の視線は新型コロナウイルス感染症克服、経済回復、地球温暖化対応、移民法改革、テロ問題対応などに向かっている。民主党の上下両院での優位が2022年の中間選挙で保障されないと予想しているかのように、他の分野での改革立法への渇望も強いようだ。

25日、ホワイトハウスで記者団に語るバイデン米大統領(AFP時事)

25日、ホワイトハウスで記者団に語るバイデン米大統領(AFP時事)

 韓国の立場としても、バイデン氏の初期の動向は重要だ。同氏は当初、北核問題など韓半島問題に優先順位を置かないとの展望もあったが、ここ数日そうした点は現れていない。バイデン氏はトニー・ブリンケン国務長官候補の公聴会発言、ホワイトハウスのジェン・サキ報道官の発表を通じて、対北朝鮮政策の再検討と新しい戦略作りなどを強調している。“ボトムアップ方式”と多国間主義に基づいたアプローチを事実上提示したのだ。

 バイデン氏は昨年10月、大統領選挙のTV討論では米朝首脳会談の条件として核能力縮小の合意を先決条件として掲げた。

 バイデン政権の発足に際して、文在寅政府の対北朝鮮対応の変化を求める声が出ているが、米国の立場としても複雑な北核問題について協議が必要だ。

 “オバマ・バイデン体制”を象徴するブリンケン氏とジェイク・サリバン国家安全保障担当大統領補佐官、カート・キャンベル・インド太平洋調整官、ウェンディ・シャーマン国務副長官、ソン・キム国務次官補代行(東アジア太平洋担当)などが意見の発信を主導するだろう。

 前例を見れば、バイデン政権は2月の年頭教書(国政演説)で北核に対する基本方針を一部表すだろう。バイデン政権の全力投球が可能な時間はせいぜい中間選挙前までだ。その時までバイデン氏は“力の手本”ではない“手本の力”を見せようとするだろう。

 米コラムニストのオバマ氏とバイデン氏の比較が思い出される。オバマ氏が図書館で本に集中し修道院の司祭のように勉強する類型とすれば、バイデン氏は“勉強会”でメンバーらと討論し議論することを楽しんだ。

 北核問題に適用してみると、オバマ氏は北核問題に“戦略的忍耐”で任期を終えたが、バイデン氏は北核解決法をさまざまな形で探る可能性がある。“自身の文法”に埋没した孤独な司令官であることを拒否するバイデン氏の学習目録に北核問題もひとまず含まれるようだ。

 さらに幸いなことに、韓米の北核解決法の意見が今のように近くなっていることはない。努力次第では米国のアプローチと韓国の韓半島平和プロセスが共通の空間を十分に確保できる。韓国政府はバイデン政権の主要メンバーと素早く、かつ緻密に動かなければならない。両国の国防・外交閣僚の電話通話以上の動きが切実に必要だ。

 バイデン氏が主導する勉強会メンバーとの交流強化はそれほど重要だ。韓国政府高官がその勉強会グループの“外部オブザーバー”の地位を与えられるほど努力するならば最高(錦上に花を添える)だ。

(朴鐘賢(パクジョンヒョン)外交安保部長、1月27日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。

ポイント解説

米新政府の韓半島政策探る

 米政権が代われば、同盟国のみならず世界中が新政権とのパイプを模索し、方針を探ろうとする。特に「対北朝鮮」や「中国問題」などを抱える韓国としては、米政権次第では外交方針を抜本的に変えざるを得ないケースも出てくる。

 バイデン新大統領を「専門家を集めて勉強会で討論し、まとめていくスタイル」と認識し、記事ではその勉強会のオブザーバーとして席を確保するよう促しているが、これ自体は外交やロビー活動で必要なことだ。文政権は真っ先にそれに取り組まなければならないだろう。

 ただし、懸念材料は肝心の外交部長(外務大臣)人事がこの変化に対応したものかどうかだ。つまり鄭義溶外相は適任なのかということだ。鄭氏といえば、2018年まるで“北朝鮮のメッセンジャー”のように米国入りしたものの、ポンペオ国務長官(当時)から「嘘(うそ)つき」呼ばわりされて、門前払いを食らった人物である。

 いくらカウンターパートがブリンケン氏に代わったからといって、米政府内で鄭外相に付きまとう「北の手先」イメージは変わっていないだろう。逆に韓国は厳しい宿題を突きつけられて、米朝間で右往左往することにもなりかねない。

 記事でも触れているように、米国としては「まず核能力縮小」が前提条件だ。これと韓国の韓半島平和プロセスは理屈の上では齟齬はない。だが、実際に文政権が北に核問題で迫れるかといえば、これまでは全くできていない。

 なまじ平壌訪問経験があり、米朝首脳会談を陰で仕組んだ鄭氏が“どの面下げて”米国の要求を持って北に行けるだろうか。歴史を見れば、こうした時、この民族は双方に都合のいい報告しかしてこなかった。それで失敗した歴史の教訓は、今回は生かされるのだろうか。

(岩崎 哲)

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