ワシントン・タイムズ・ジャパン

空港の名前

韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

 私たちの人生で旅行の楽しみは格別だ。一大決心しなければ行けない海外旅行はまた特別だ。荷物を準備する時のときめきと訪問地の異国的な情緒・食事・天気まで…。帰ってきた後もしばらくの間は、心の一角の思い出として残り、生活の活力源となる。その国の第一印象を左右するのは、国境を超えるために通過する関門の空港だ。わが国の仁川国際空港と違って、外国の関門空港には人の名前を付けた所が多い。

 米国ニューヨークのケネディー空港、インド・ニューデリーのインディラ・ガンディー空港、フランス・パリのドゴール空港は政治家の名前にちなんだものだ。英国リバプールのジョン・レノン空港、ポーランド・ワルシャワのショパン空港、イタリア・ローマのダヴィンチ空港など、音楽家・芸術家の名前にちなんだ所もある。

 わが国は有名人の名前にちなんだ空港はないが、権力者の名前が影のようにつきまとう所は多い。清州空港は“盧泰愚空港”、襄陽空港は“金泳三空港”、務安空港は“金大中空港”と呼ばれる。経済性が劣る“税金を食うカバ”だというのが共通点だ。

 東南圏新空港の候補地だった金海新空港が白地化されると、早くも与党が加徳島大勢論づくりに乗り出した。予備妥当性調査の免除などを盛り込んだ特別法まで公言した。加徳島新空港は故盧武鉉元大統領の遺業だ。空港の名前をめぐって皮肉交じりの議論が起こっている。国民の党の安哲秀代表は「与党で“盧武鉉空港”という名称まで流している」と批判した。

 曺国前法務長官(法相に相当)はさらに進んで“加徳島盧武鉉国際空港”にしようと言っている。陳重権元東洋大教授は「はっきりと“文在寅空港”にしなさい」と皮肉った。李俊錫前未来統合党最高委員は、「空港建設に寄与した人の名前を付けよ。“呉巨敦(スキャンダルで辞任した前釜山市長)空港”」だと批判した。

 米国の航空母艦にはロナルド・レーガン、ジョージHWブッシュなど、元大統領の名前が多い。五大洋を飛び回って米国の誇りを高めている。空港もまた、名前だけでも自国の歴史を知らせる役割を十分に果たす。わが国では、票だけを見て殺到する“火取り虫政治”が造った空港がいつ血税を浪費する場所に転落するか分からない。国民は裏に潜む権力者の陰湿さを見ながら憤怒するだろう。韓国を訪ねる外国人に対して、恥辱の“政治空港”をどうやって説明するか、困り果てる。

(11月21日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。

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