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【韓国】租税抵抗運動

韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

「ガチョウの羽を音もたてず最大にむしり取るのが税金の芸術だ」。フランスのルイ14世在位時代に財務長官だったジャン・バティスト・コルベールが残した言葉で、財政官僚の間で語られる金言だ。

 国内でこの言葉を大衆化させた人物は2013年8月、朴槿恵政権時代の青瓦台(大統領府)経済首席補佐官、趙源東であるようだ。彼は非課税減免の縮小を盛り込んだ税法改定案を説明する中で、この警句を引用してひどい目に遭った。納税者である国民を、痛みをろくに感じられない“バカ”に比喩したという非難が殺到したためだ。

 古今東西を問わず、ガチョウの苦痛に目もくれずやたらに羽を引き抜いた権力と国家は没落するのが常だ。英国首相だった“鉄の女”マーガレット・サッチャーは1980年代末に国家の財政が苦しくなると人頭税を導入して激しい反対デモに直面し、最後には失脚した。米国の独立戦争とフランス革命も租税への抵抗が導火線になった。ローマ、アテネなど、数多くの帝国と文明が同じ理由で歴史の裏方に消えた。

 文在寅政権は羽でなく敢(あ)えて家族まで丸裸にする模様だ。政府と与党から一夜明ければ「住宅を2軒以上持つことを苦痛と感じるようにしなければならない」「不動産の不労所得を許さない」という過激な発言が飛び出してくる。

 7・10不動産対策は多住宅者に対して総合不動産税と譲渡所得税、取得税を一度に引き上げて、歴代級の税金爆弾を投下するというのが核心だ。それでなくても最近数年間、新不動産関連の税金負担は雪だるまのように膨らんでいるところだ。

 ソウルで今年、財産税が上限の30%まで上がる世帯が58万世帯に肉薄し、7月のソウル市の財産税賦課額も初めて2兆ウォンを超えたという。来年も公示地価上昇の余波で税金負担が加重されることは火を見るよりも明らかだ。

 波紋が起こらないはずはない。ソウルの都心で“懲罰的課税”を糾弾するデモが行われた。インターネットのポータルサイトでは、「もうたまらない、税金爆弾」「増税抵抗運動」のようなスローガンが、リアルタイム検索語ランキングの上位圏で上下している。

 世宗大王は租税制度の貢法(土質によって違う27の税率で税を徴収する地税制度)を導入するに当たり、世論調査や反対勢力の説得などを経て14年後に初めて施行した。朝鮮王朝が世宗の在位時期に最高の全盛期を謳歌(おうか)したのは偶然ではないはずだ。

(7月21日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。

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