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朝鮮動乱の英雄逝く-韓国から

地球だより

 今年、勃発から70年になる朝鮮戦争(1950-53年)に韓国陸軍の師団長として参戦し、最前線で活躍した伝説的人物、白善燁予備役大将が亡くなった。北朝鮮軍の陣地に自ら先陣を切って攻め込む時、「もし私がひるんだら後から撃て」と言い残し、見事に敵を撃破したという武勇伝は有名だ。

 ちょうど10年前、白氏に直接インタビューしたことがある。当時すでに89歳だったが、元軍人らしく大きな声で語ってくれた。生涯忘れられない最大の戦闘場面に挙げたのが韓国軍が南東部に追い込まれ、陥落したら全滅の恐れがあった「洛東江の攻防」だ。「もしわれわれがここで負けたら大韓民国は北朝鮮の野望に呑(の)み込まれ、金日成の国になってしまうと思い、決死の覚悟で戦った」と、白氏は当時の心境を述懐していた。

 取材の翌日、南北軍事境界線付近の海域で韓国哨戒艦が北朝鮮の魚雷に撃沈される事件が起きた。白氏は周囲に「動乱の記憶が薄れていた矢先、国民の北への警戒心が喚起されるだろう」と話していたという。生涯、一貫して北朝鮮の脅威に警鐘を鳴らした。

 日本統治下の旧満州国軍人の出身であることが、後に韓国内での評価を二分させた。北朝鮮の顔色をうかがう今の文在寅政権では冷遇された。白氏の遺骨埋葬は“親日派”を理由に国立墓地は無理との話まで出た。あの世でも心配の種が尽きないことだろう。ご冥福をお祈りする。

(U)

(サムネイル画像:Wikipedia-US Navy, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=12037809による)

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