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スルーできない父母の日

地球だより

 先日、韓国の友人から「日本のオボイナル(父母の日)はいつか」と聞かれた。「確か母の日が5月第2日曜日で、父の日は6月のええっと…何週目だったか…」と答えると、はっきり覚えていないことを不思議がっていた。韓国はオボイナルが毎年5月8日に決まっている。子供からプレゼントや花束、小遣いなどをもらったり、食事に招待されたりするのが一般的だ。昔ほど親子関係が近くないとはいえ、この日をスルーすることはまずあり得ない。

 ところで韓国に定着した脱北者たちは最初、このオボイナルに驚くという。生まれ故郷の北朝鮮で「オボイ」とは自分の両親はさておき「オボイ首領様」、すなわち金日成主席のこと。まさか韓国に来てまで首領様の誕生日を祝わされるとは…と面食らった人もいるとか。笑うに笑えぬ事情があった。

 ちなみに北朝鮮では金主席の誕生日である4月15日を「太陽節」と呼んで国を挙げて祝うが、同時にこの日は「オボイナル」でもあるそうだ。

 韓国の今年のオボイナルはコロナ危機で大分勝手が違っていた。感染リスクのため実家に行って直接感謝の気持ちを伝えるべきか否か迷う人が多かったようだ。実家の両親からは「こんな時期だから来なくてもいい」と言われるが、行かなければ行かないでガッカリされるのが気掛かりだというのだ。

 両親たちは与えたい思いも溢れているが、もらいたい思いも抑えられない―。韓国人気質の一端を垣間見るようなオボイナルの光景だ。

(U)

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