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買いだめしない韓国

韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

 新型コロナウイルスに襲われた全世界で“買いだめ”熱風が吹き荒れている。米国、英国、日本など先進国も例外ではない。人々が店の前に長い列をつくって並んで、オープンするや否やトイレットペーパーなど生活必需品売り場を総ざらいする。先に取ろうと言い争って殴り合いになることもある。

 英国の看護師が“生活必需品の買いだめ”をやめてほしいと訴える動画の再生回数が500万回を超えた。彼女が病院の重患者室で40時間の交代勤務を終えた直後に立ち寄ったスーパーで、食料品が売り切れて茫然自失となった彼女の表情が世界の人々の琴線に触れた。スパイダーマンの主人公トム・ホランドはタマゴが買えないので鶏を飼うようになったことをインターネット交流サイト(SNS)にアップして警鐘を鳴らした。米国の一部の州では、トイレットペーパー1個を10㌦で売っている。各国の政府が買いだめを自制するように訴えているが、力不足だ。ついにトランプ米大統領は買いだめやぼったくり料金を厳罰に処すとの行政命令にサインした。

 “FOMO症候群”という言葉がある。“Fear Of Missing Out”の略語で、他の人々がやっているのに自分だけ抜けるわけにはいかないという買いだめ心理を代弁する用語だ。買いだめは経済を攪乱(かくらん)し、社会的な弱者の生活を不安定にする害悪だ。未曽有の新型コロナウイルス拡散によって不安を感じた現代人を代弁するものだ。

 新型コロナウイルス感染症が拡大した国の中で生活必需品の買いだめが起こっていない唯一の国がわが大韓民国だ。マスクや手の洗浄液をもっていたずらする“ちゃっかり族”はいるが、大多数の国民は被害地域に物品を支援して、救いの手を差し伸べている。災難の前で共同体意識が光を放つ韓国の底力だ。他人のことを先に考える市民意識が成熟した社会システムを支えている。外国も韓国のこのような姿にぞっこんほれ込んだ。英国のBBCなどは「国民の毅然とした姿勢」と「成熟した市民意識」だと報道した。米国のABCは「国民の偉大な国」だと持ち上げた。文在寅大統領まで乗り出して「国民のおかげ」だと言った。

 政治が問題だ。与党と第1野党に機会を与えようという選挙法改正の趣旨を無視し、比例代表用の衛星政党に執心している。国民への詐欺劇であり、一種の買いだめだ。政治が国民の水準に追いつけないのがもどかしい。

(3月25日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。

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