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韓国政府と徴用工原告団が分裂

元徴用工問題を解決する方法として韓国国会の文喜相議長は韓国や日本の企業や個人から寄付金を集め、募った寄付金を元徴用工に支給する内容の法案を国会に提出した。これなら日本企業が賠償金を支払う必要はないし、安倍政権が謝罪することもない。法案が成立すれば徴用工問題は収束の方向に進む。

徴用工問題の解決のための文議長の法案に大反対したのが徴用工原告団である。反対する理由は文議長の法案には日本政府や企業による謝罪や加害事実の受け入れがないからだという。原告団の要求は賠償金より加害事実を認めた上での謝罪である。謝罪なしのお金だけで解決するという文議長の法案には大反対なのだ。文議長の法案に対抗して原告側代理人は日韓両国の政治家や弁護士、学者らで構成し、問題解決策を検討する協議体の創設を提案した。原告側代理人は元徴用工ら原告が受け入れ可能な解決策であることを条件にしている。

文喜相議長・・・寄付金で賠償=日本政府・企業の謝罪なし。
徴用工原告団・・・日本政府・企業の謝罪+賠償金
 
文議長の案は原告側が資産を現金化した時の日本政府の制裁を避けるのが目的である。一方原告側の方は日本政府の謝罪が目的である。原告側が2月に資産の現金化を宣言した。現金化をすれば安倍政権は韓国に貿易、金融などの制裁をすると宣言した。制裁を受ければ韓国経済が悪化してしまう。韓国政府としては日本政府の制裁を避けたい。避けるためには原告団の資産売却を中止させるしかない。模索した結果が寄付金を集めて賠償金の代わりにすることであった。文議長の謝罪なしの寄付金による賠償支払い案に慌てたのが徴用工原告団であった。文議長案に対抗して提案したのが協議体創設である。韓国は文議長案VS徴用工原告団案に分裂したのである。
文議長案に賛成する元徴用工の団体もある。団体は法案を成立させ「早く金を受け取らなければならない」と主張している。この団体は日本企業に勝訴した元徴用工や弁護団を批判し、文議長提出法案が議会を通過して補償を受けたい姿勢を前面に打ち出している。元徴用工の間でも分裂が起こっているのが現実である。

2月に資産を現金化すると宣言していた徴用工原告団が協議体創立を提案した時に、原告側の林宰成弁護士は現状のままなら資産売却手続きが今年上半期中に行われる見通しだと言った。資産売却は今年2月に手続きが本格化すると宣言していた原告弁護単であったが、協議体創立を提案し、2月から後ずれする可能性を発表したのである。今まで繰り返し2月に現金化すると言っていたのに先延ばしするのだ。2月間際になっての先延ばしはおかしい。文議長の寄付金法案が国会で議決されるの2月より後である。文議長は早くて5月と言っている。2月で資産売却すれば文議長の法案成立の影響を受けることはない。それなのに原告弁護団は文議長の法案に反対し対抗するように協議体創立案を出したのである。なぜ原告団が方向転換をしたのかわからないが、はっきりしているのは政府と原告団が徴用工問題の解決方法が分裂したのは確かである。

日本政府が貿易、金融等の制裁をすれば韓国経済は確実に混乱状態になる。経済は悪化する可能性が高い。もし、韓国民の日本政府への怒りが増し国交を断絶することになれば韓国経済はますます悪化し。韓国社会は混乱する。韓国政府が最も恐れるのは経済悪化による社会混乱である。だから、資産売却による日本政府の制裁を避けたいのだ。

韓国は議会制民主主義国家である。国民の支持を失えば政権の座から降ろされる。国民の40%を占めている左翼だけの支持だけでは政権を維持するのは困難である。左翼以外の中間層の国民の支持が必要である。そのためには経済の悪化は避けたい。そのためには原告団による資産売却は避けたいのが政府の本音である。資産売却を避けつつ徴用工への賠償を考え出したのが文議長の寄付金案である。
韓国政府は日本政府との断絶を恐れる。しかし、徴用工原告団は恐れない。経済悪化、国交断絶よりも謝罪されないことを嫌う。資産売却で政府と原告団が対立するのは当然である。対立の原因は政府と市民団体の性質の違いである。

日本政府に謝罪を求める徴用工原告団も矛盾している面がある。資産を売却した金で原告に賠償することで解決するならば、日本政府への謝罪なしに解決することになる。寄付か資産売却かの違いであって、謝罪なしは同じなのだ。原告団が文議長案に反対する理由はないのだ。ところが原告団は日本政府の謝罪がないから文議長の寄付金案に反対するという。客観的にみれば反対の理由が成り立たない。それなのに寄付金案に反対するのである。矛盾している。

原告団が日本政府の謝罪なしには賠償金を受け取らないというならば謝罪なしの資産売却はできないということになる。資産売却をすれば安倍政権は謝罪するどころか韓国に反撃の制裁をする。安倍政権の反撃を恐れて右往左往して分裂しているのが韓国政府と徴用工原告団である。


「沖縄に内なる民主主義はあるか」より転載
http://hijai.ti-da.net/

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