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    渥美 堅持
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    坂東 忠信
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    遠藤 哲也
    遠藤 哲也
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    蒲生健二
    蒲生健二
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    服部 則夫
    服部 則夫
    元ベトナム大使
    石井 貫太郎
    石井 貫太郎
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    河添 恵子
    河添 恵子
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    宮塚 利雄
    宮塚 利雄
    北朝鮮専門家
    中澤 孝之
    中澤 孝之
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    丹羽 文生
    丹羽 文生
    拓殖大学海外事情研究所准教授
    太田 正利
    太田 正利
    外交評論家
    ペマ・ギャルポ
    ペマ・ギャル...
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    佐藤 唯行
    佐藤 唯行
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    渡瀬 裕哉
    渡瀬 裕哉
    早稲田大学招聘研究員
    山田 寛
    山田 寛
    元読売新聞アメリカ総局長

    韓国、北朝鮮に対する経済制裁を公然と妨害し始めた?

     先ほどの『人民元の台頭の本当のリスクは米国の金融制裁の無効化』では米国のOFAC規制と北朝鮮・中国企業に対する資産凍結措置などについて報告しましたが、本稿ではもうひとつ、北朝鮮制裁に関連し、どうしても紹介しておきたい話題が出てきてしまいました。それは、韓国政府が「今年は米朝交渉にとらわれずに南北協力を推進したい」と言い出した、というものです。正直、日米をはじめとする国際社会のCVIDにむけた努力を妨害する行動であるとしか言いようがありません。

    北朝鮮制裁論


     先ほどの『人民元の台頭の本当のリスクは米国の金融制裁の無効化』ではOFAC規制と関連し、北朝鮮に対する経済制裁について議論しましたが、北朝鮮に対する経済制裁を巡っては、そもそも論として「効いている」、「効いていない」などの諸説が入り乱れています。

     この点、当ウェブサイトではかなり以前から北朝鮮に対する経済制裁について考察を続けていて、とくに北朝鮮が昨年12月22日の労働者強制送還期限到来により、かなり資金的に窮しているのではないか、という仮説を抱いています。

     とくに一昨日の『北朝鮮が韓国を痛罵するのは経済制裁が効いている証拠』でも触れたとおり、北朝鮮が口汚く韓国を罵っているという事実は、韓国が外貨不足の状況を解消するのにまったく役に立っていないという点に関する不満の表明と見るべきではないかと思います。

     いずれにせよ、北朝鮮がおもに資金面とエネルギー面において、2017年12月の制裁決議による打撃を受けていることはほぼ確実と考えて良いでしょう。

     ただし、北朝鮮のものと見られる船舶による違法な「瀬取り」行為は頻繁に報告されており、外務省が公表する『北朝鮮関連船舶による違法な洋上での物資の積替えの疑い』については、昨年12月27日付でも最新情報が更新されているほどです。

    北朝鮮船籍タンカー「NAM SAN 8(ナムサン8)号」と船籍不明の小型船舶による洋上での物資の積替えの疑い(令和元年12月16日・17日)(抄)


    令和元年12月16日(月曜日)昼、北朝鮮船籍タンカー「NAM SAN 8(ナムサン8)号」(IMO番号:8122347)と船籍不明の小型船舶が東シナ海の公海上(上海の南東約290kmの沖合)で接舷(横付け)していることを海上自衛隊第1航空隊所属の哨戒機「P-1」(鹿屋)が確認しました。また、翌17日(火曜日)午前にも、北朝鮮船籍タンカー「NAM SAN 8号」と前日と同一のものと思われる船籍不明の小型船舶が東シナ海の公海上(上海の南東約290kmの沖合)で接舷していることを海上自衛隊第8護衛隊所属の護衛艦「しまかぜ」(佐世保)が確認しました。

    ―――2019/12/27付 外務省HPより

     海上でこれだけたくさんの事例が発見されているのであれば、陸路で国境を接する中国やロシアと大々的な密輸がなされていないと考える方がむしろ不自然でしょうし、現に先ほどの『人民元の台頭の本当のリスクは米国の金融制裁の無効化』でも触れたとおり、SDNリストは頻繁に更新されています。

    経済制裁を妨害する国

    ●北朝鮮制裁逃れ監視活動に協力してくれない韓国

     こうしたなか、中国やロシアのような、半ば「世界の無法国家」のような国が北朝鮮に対する経済制裁にちゃんと協力してくれていないという点は、日本や米国にとっても、ある程度は織り込み済みでしょう。

     とくに米国はSDNリスト上、北朝鮮の核開発などに関連し、北朝鮮だけでなく多数の中国企業、ロシア企業を資産凍結措置の対象に指定しています(※これも結局は「イタチゴッコ」という側面があるのだと思いますが…)。

     しかし、見た目は自由民主主義陣営に所属していて、その恩恵をフルに受けていながら、北朝鮮の瀬取り監視活動にろくに協力もしない国が、ひとつ存在します。

     韓国です。

     先ほど示した外務省のホームページによれば、わが国は北朝鮮の瀬取り監視活動などについては次のような方針で対処することにしているそうです。


     我が国としては、朝鮮半島の完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法での全ての大量破壊兵器及びあらゆる弾道ミサイルの廃棄という共通の目標に向け、米国や韓国のみならず、中国・ロシアを含む国際社会と密接に連携しながら、「瀬取り」への対応を含め、国連安保理決議の実効性を確保していく必要があります。

     しかし、そのわりに日本は米国などの各国と共同で瀬取り監視活動を行っているものの、韓国と共同して瀬取り監視活動を行った事実は確認できません。いちおう、米国以外の国と共同で瀬取り監視活動を行った回数を示しておくと、次のとおりです。

    ・オーストラリア…3回
    ・カナダ…3回
    ・英国…2回
    ・フランス…2回
    ・ニュージーランド…1回

    ・韓国…0回


    …。

     いかがでしょうか。

     日本にとっては死活的に重要な利益である「北朝鮮のCVID(※)方式による非核化」を達成するためカギとなる手段のひとつは、経済制裁を徹底すること、制裁逃れを監視すること、穴を塞ぐことなどですが、韓国はこれに協力してくれないのです。

    ※「CVID」は「完全な、検証可能な、かつ不可逆な方法での廃棄」(Complete, Verifiable and Irreversible Dismantlement)の略。

    ●北朝鮮への個人旅行、正気ですか!?

     いや、韓国は北朝鮮制裁逃れの取り締まりに協力してくれないどころか、もはや経済制裁とCVIDの努力そのものを妨害しようとすらしています。その一例でしょうか、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に昨日掲載された記事を読んで、思わず仰天してしまいました。

    北への個人旅行 国民の安全確保なら積極的に検討可能=韓国(2020.01.15 15:26付 聯合ニュース日本語版より)


     聯合ニュースによれば、韓国政府・統一部の金銀漢(きん・ぎんかん)副報道官は15日の定例会見で、韓国国民の北朝鮮への個人旅行実現を巡って、次のような見解を示したのだそうです。

    ・個人旅行は国連安保理の北朝鮮制裁決議には抵触しない
    ・韓国国民に対する身辺の安全保障措置さえ確保されれば積極的な検討が可能だ

     一応、2017年9月11日に採択された『国連安保理決議2375号』や同年12月22日に採択された『国連安保理決議2397号』をざっと読んでみても、たしかに「個人が北朝鮮に観光目的で入国すること」を直接に禁止したとおぼしき記載はありません。

     ただ、当たり前の話ですが、経済制裁の基本は「ヒト・モノ・カネ・情報の往来の制限」です(『総論:経済制裁について考えてみる』参照)。具体的には


    ①相手国へのヒトの流れの制限
    ②相手国へのモノの流れの制限
    ③相手国へのカネの流れの制限
    ④相手国からのヒトの流れの制限
    ⑤相手国からのモノの流れの制限
    ⑥相手国からのカネの流れの制限
    ⑦情報の流れの制限


    ですが、わが国の場合だと法的に適用可能な②~⑥はひととおり適用されていますし、法的な適用ができない項目についても、たとえば①については外務省が『海外安全ホームページ』で日本国民に対し、「渡航自粛勧告」を出しています。

    ●もはや米国の神経を逆撫でしているとしか思えない

     日本国民が北朝鮮旅行をすれば、それだけで北朝鮮に貴重な外貨がもたらされますし、ましてや相手国はいまだに数多くの日本人を抑留したまま返さない犯罪者集団です。当たり前の話ですが、日本国民であれば迂闊に北朝鮮に外貨を1円でも渡すことは避けたいところです。

     それなのに、韓国政府は北朝鮮への個人旅行を含めた南北交流を推進しようというのですから、明らかに国際社会(とくに米国)に対してケンカを売っているようにしか見えません。

     また、同じく聯合ニュースに掲載された次の記事も、やはり「米国の神経を逆なでしてまで北朝鮮を支援しようとしている」という話題でしょう。

    韓国政府 米朝交渉にとらわれず「南北協力推進」=北の反応が鍵に(2020.01.15 16:33付 聯合ニュース日本語版より)


     こちらの記事では、韓国政府が今年に入り、北朝鮮との協力進展に向けて「『スピード戦』に乗り出す姿勢を鮮明にしている」と述べたもので、聯合ニュースは「非核化に向けた米朝対話に集中するという昨年のスタンスを改めた形だ」と評しています。

     さりげなく凄いことを言っていませんか、聯合ニュースさん?

    聯合ニュースの説明は、こうです。


    ・文在寅(ぶん・ざいいん)大統領は14日の新年記者会見で「朝米対話ばかり見守るのではなく、南北関係を発展させるべきだ」と、今年の対北朝鮮政策の推進方向を提示した

    ・南北の協力を広げていけば、米朝対話を後押しするだけでなく、北朝鮮に対する制裁の一部免除や例外措置の承認に対する国際的な支持を得られるだろうと説明した

    ・要するに、大統領自身の指示により、韓国は米国の姿勢に反して、「南北協力」を騙りながら北朝鮮に対する実質的な支援を拡大して行こうとする方針を明確にした、ということでしょう。


    「韓国を制裁せよ」?

    ●南北関係悪化の原因は韓国の「コウモリ外交」

     では、なぜ韓国政府が今年に入り、急速に北朝鮮支援に舵を切り始めたのでしょうか。

     これについて聯合ニュースは次のように分析します。


    「政府は、今年は米朝の非核化交渉にとらわれるのではなく、対北朝鮮制裁下でも可能な南北協力をより積極的、迅速に進めていきたい考えのようだ。その背景には、昨年2月の米朝首脳会談以降、米朝対話に集中するという政府の戦略が実らず、むしろ南北関係の悪化まで招いたとの判断があると分析される。」


     これも凄い分析です(※「凄い分析」というのは、もちろん「褒め言葉」ではありません)。

     くどいようですが、北朝鮮が韓国を面罵している理由は、韓国が北朝鮮に対して「空手形」を切ったことにあります。これについては優れた韓国観察者である鈴置高史氏の昨年8月20日付の『デイリー新潮』記事が参考になるでしょう。

    「四世紀ぶりの孤立」を招いた文在寅、日本と北朝鮮から挟み撃ち(2019年8月20日付 デイリー新潮より)


     鈴置氏の指摘は、こうです。


    ・2018年6月の史上初の米朝首脳会談は、米朝両国が水面下で交渉し実現に漕ぎ着けたものだが、ここに韓国が割り込んで、自分が仕切ったフリをした
    ・北朝鮮がこれを受け入れたのは、文在寅政権に仕切ったフリをさせてやれば、見返りにドルがもらえるとの密約があったからではないか
    ・しかし、「ドルの送金パイプ」である開城工業団地や金剛山観光開発の再開はトランプ政権の拒絶により頓挫した


     韓国は「自分たちが米朝首脳会談を仕切った」と内外に宣伝することで、「外交の天才・文在寅」を演出することができる一方、北朝鮮としてはその見返りに、韓国が自国にドルをもたらしてくれるに違いないと期待していたのですが、現在に至るまで、そのドル資金再開は実現していません。

     だからこそ、文在寅政権は「個人旅行解禁」などを通じた実質的な送金手段の拡大を模索しているのでしょう。

    ●次は韓国も経済制裁対象国にすべき?

     さて、現時点においてあまり断定的なことを申し上げるべきではありませんが、それでも昨今の状況を踏まえるならば、北朝鮮の非核化を達成するためには、韓国をも経済制裁の対象にすることを検討しなければならないのかもしれません。

     実は、この論点については、当ウェブサイトでは年初に次の2つの記事で簡単に問題提起しています。

    日韓関係はまだ「最悪期」に非ず(1)経済制裁論(2020/01/04 05:00付 当ウェブサイトより)

    日韓関係はまだ「最悪期」に非ず(2)日韓断交論(2020/01/04 10:00付 当ウェブサイトより)

     両記事を執筆した時点では、「ちょっと書きすぎたかな?」とも思ったのですが、「北朝鮮に対する個人旅行」「南北協力の推進」という文在寅政権の方針を見る限りにおいては、けっして「極論」ではないと思います(※結果論に過ぎないのかもしれませんが…)。

     いずれにせよ、現在の状況は韓国政府が一方的に「北朝鮮とこういう協力をしていきたい」と述べているだけの段階ですので、北朝鮮がどう出るかについては見極めが必要でしょう。


    「新宿会計士の政治経済評論」より転載
    https://shinjukuacc.com/20200116-02/

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