«
»

反日親北を自画自賛、韓国・文政権が任期折り返し

 韓国の文在寅政権は10日、5年の任期を折り返した。戦後最悪と言われる日韓関係や一向に非核化に導けない対北朝鮮政策への反省や軌道修正は見られず、文氏をはじめ政権幹部らは自画自賛を繰り返すだけだ。雇用悪化や曺国法相の任命強行なども影響し不支持が支持を上回る状態が続いており、このままいけば来年4月の総選挙も混戦になる可能性が出てきた。(ソウル・上田勇実)

「積弊清算」邁進に満足
不支持多く政権交代論も

 文氏は任期折り返しの翌日、首席補佐官会議で「(任期前半の)2年半は超えるべき過去を克服し、新しい未来に向かう転換の時期だった」と述べた。また北朝鮮問題では「(朝鮮半島から)戦争の脅威を除去」したと断言し、南北・米朝融和ムードを「奇跡のような変化」と持ち上げた。だが、国内外の文政権任期前半への評価は支持層を除けばむしろそれとは正反対に近い。

文在寅大統領

7日、ソウルの韓国大統領府でアジア太平洋通信社機構(OANA)加盟の各通信社代表と懇談する文在寅大統領(大統領府提供・時事)

 これに先立ち青瓦台(大統領府)の主要幹部が記者会見を行い、安全保障担当の鄭義溶・国家安保室長は日韓関係について驚くべき発言をした。

 「韓日関係が最近このように難しくなった、その根本原因は日本側が提供したとみる」

 ここで言う「根本原因」とは日本の戦略物資の対韓輸出規制を見直した、いわゆるホワイト国からの韓国除外だ。文政権発足後の日韓関係悪化はひとえに日韓政府間の合意・協定を韓国側が一方的に反故(ほご)にしたり無視したりしたためだったはずで、この点は韓国内保守派もある程度同様の認識だ。文政権だけがいまだに関係悪化の真の根本原因に向き合おうとしていないわけだ。

 鄭氏は今月23日に失効する日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)についても、破棄撤回の可能性を問う記者の質問に「韓日関係が正常化すれば延長を検討できる」とし、あくまでも日本がホワイト国除外を撤回することが前提条件であると述べた。

 GSOMIA破棄宣言は「日本のホワイト国除外を撤回させるよう米国に促すカード」(元韓国政府高官)だったと言われるが、そのもくろみは外れ、逆に米政府高官たちから破棄撤回を求められ、窮地に追い込まれている。この期に及んでまだ日本責任論を展開するのは反日路線の無理な正当化というほかない。

 北朝鮮問題では文氏の言葉同様、根拠なき楽観論が際立った。盧英敏・大統領秘書室長は「文政権は戦争の脅威が消えなかった朝鮮半島の秩序を根本的に転換させるため大胆な道を歩んできた」と称賛した。

 鄭氏も文政権が仲介役を自任した米朝首脳会談で朝鮮半島の「平和プロセスが本格的に稼働」し「冷戦構図が解体」したと指摘。今後も「ウリ(われわれ)民族の運命はウリ自ら決め責任を取る」と述べ、北朝鮮に迎合するかのようにウリ民族同士の精神を強調した。

 だが、現実は韓国の北朝鮮に対する一方的な融和ショーばかりが目立ち、米朝の非核化交渉はほとんど進展せず、見通しも立っていない。戦争の脅威が消えたというのは北朝鮮が戦術的な融和路線に転換し、それを韓国が無条件に受け入れた表面上の現象であって、北朝鮮は文政権発足後も核・ミサイル開発の手を緩めていない。

 反省の弁が聞かれなかったのは反日親北だけでなく国内の「積弊清算」もまたしかりだ。

 朴槿恵前大統領を国政介入事件で弾劾・罷免に追い込み逮捕・起訴したのを皮切りに国内保守派を徹底的に叩(たた)き、それはマスコミの社長や裁判官などの人事にも及んだ。こうした左派政権による強権的な保守締め出しを「過去を克服し、国家システムを正常化させる過程で、新しい韓国の土台作りの時期」(盧氏)と美化した。

 総じて2年半の自己採点は見たいものだけを見ているにすぎず、案の定、「反省と再出発の契機とすべき任期折り返し点でも自画自賛を並べる厚顔無恥に驚かされる」(大手紙・朝鮮日報)といった手厳しい批判にさらされている。

 かつて70%台を誇った支持率は見る影もなく低迷している。世論調査機関リアルメーターが今月第1週に調査した結果、支持率は44・5%で不支持の52・2%を8ポイント近く下回った。ここ3カ月間は不支持が支持を上回り続けている。

 また保守系大手紙の世論調査によると、約2年後に迫る次期大統領選での政権交代の是非を問う質問に「交代すべき」(40・6%)と「交代すべきでない」(42・5%)がほぼ伯仲する結果が出た。政権交代論は確実に広がっているようだ。

8

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。